ハンガリー出身のペーテル クストル選手は、チーム ノボ ノルディスクの中で最も経験豊富なライダーです。ナショナルロード選手権優勝の実績を持つベテランであり、遅咲きのリードアウトマンとして、2023年も年間を通して要所要所で印象的な走りを披露し、チーム全体の好調なシーズン成績に貢献し、若手選手の手本になる存在であることを改めて証明しました。

チームの最年長であるクストル選手は、2023年にはツール・ド・ルワンダで総合10位以内、ハンガリーナショナル選手権ではロードレースとタイムトライアルの両部門で5位以内に入るなど、従来にも増して素晴らしい好成績を収めました。2024年も、チームの大きな目標に向けて、若手選手たちを先導しながら前進し続けていく準備ができています。2019年と2020年にチーム ノボ ノルディスクで最初の2シーズンを積極的に取り組んだペーテル クストル選手は、ギリシャで行われたインターナショナル・ツアー・オブ・ロードスにおいて2回連続でトップ10入りし、彼の地元で開催されたツアー・オブ・ハンガリーでは総合10位を獲得するなど、2020年のスタートを堂々と切りました。

2019年には、アムジェン・ツアー・オブ・カリフォルニアの最終ステージでトップ20入りを果たし、イタリアの象徴的なレースであるミラノ～サンレモに初めて出場し、ツアー・オブ・エストニアでは総合25位となるなど、素晴らしい成績をあげました。

オリンピック出場経験もある39歳のクストル選手は、2005年にP-nivo Betonexpressz 2000でプロの自転車選手となり、その後はAtlas Personal、Utensilnord、Amplatz-BMC、そしてMyBike StevensなどのUCIコンチネンタルチームメンバーとして今まで14シーズン競技してきました。

2018年8月、クストル選手はMyBike Stevensチームメンバーとしてチェコで行われたサイクリングツアーに出場していました。その第3ステージでのレース中、クストル選手は鎖骨を骨折してしまいました。手術前の検査で、空腹時血糖値が上昇していることがわかりました。当初、医師は彼が2型糖尿病であると考え治療をしましたが効果がみられず、その後行われた検査の結果、クストル選手は1型糖尿病と診断されました。

1型糖尿病の診断や生活の変化はクストル選手にとってつらく、糖尿病の状況を管理しながらプロとしてレースを行うことなど想像できませんでした。しかし、クストル選手はこれまでチーム ノボ ノルディスクとレースで競い合っていたため、このチームの選手全員が1型糖尿病を抱えながら自転車競技をしていることを知っていました。

自身のキャリアや夢をあきらめたくなかったため、クストル選手はチーム ノボ ノルディスクにコンタクトを取り、新たに糖尿病と診断されたときの栄養摂取やトレーニングについてのアドバイスを求めました。何度かのやりとりを経て、チーム ノボ ノルディスクから彼に2019年のスポット契約を申し出ました。

クストル選手のキャリアでの主な成績は、次のとおりです。ハンガリー代表として北京オリンピック出場 (2008年) 、ハンガリー国内ロードレース選手権 (2010年、2012年) 、ハンガリー国内タイムトライアル 優勝 (2010年) 、ツアー・オブ・ブルターニュー オーバーオール優勝 (2011年) 、ゲメンツグランプリのオーバーオール準優勝 (2017年) 、UCIロード世界選手権出場 (2008, 2009, 2012, 2013, 2019年) 。

プライベートでは、クストル選手は結婚しており2人の娘と息子がいます。彼の家族はハンガリーの首都ブダペストから離れたパティに住んでいて、そこでクストル夫妻はアマチュアのサイクリングチームでも競技しています。

主な出場レースと成績

2020
Okolo Slovenska / Tour de Slovaquie, GC　　  15位
Tour du Limousin – Nouvelle Aquitaine, GC　 19位
International Tour of Rhodes, GC                   　10位

2019
Tour of Estonia, GC  　24位

2018
National Championships Hungary, Road Race      5位
Gemenc Grand Prix, GC      7位

2017
Gemenc Grand Prix, GC      2位
GP Laguna Porec　　　      9位