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マイベストパートナー

仕事もスポーツも何だってできる
そんな先輩がいることを知ってほしい

No.3

鈴木先生 佐藤さんは私が現クリニックを父から継承した6年前から担当させていただきました。もうすでに社会人でしたね。初めてお会いした時、肩の力が抜けている状態、つまり自然体で来てくださったことが印象的でした。変な言い方かもしれませんが、とても外来がしやすかった記憶があります。年齢が近かったことも、親しみを感じた理由のひとつだったのかもしれませんね。

佐藤さん 私もなんだか身近な先生だなという印象でした(笑)。とても話しやすかったので、色々具体的な生活の相談をしました。先生は一つひとつ丁寧に答えてくださって、そういうところが本当にありがたいなと思いました。

鈴木先生 佐藤さんは学校の先生で、ご自身も運動をされますが、クラブ活動等の顧問もしていらっしゃいます。運動ができる生活に血糖を合わせ、なおかつ糖尿病の治療も行わなくてはならないので、二人でよく話し合いながら、二人三脚でやってきたという感じですね。部活がものすごくハード!リアルタイムに血糖の測定ができるグルコースモニタリングシステムを付けていらっしゃいますが、その結果を見て、いったい今日は何があったの?と聞くと、午前と午後で2試合連続だったとか(笑)。

佐藤さん 自分自身もソフトボールのプレーヤーですが、学校では部活の顧問、それ以外に他校の外部コーチや監督も引き受けていて、それは しいですね。もう休みなしって感じで、基本的にはずっと動いている感じです(笑)。

鈴木先生 逆に学校がお休みの時期、夏休みや冬休みの時期は血糖値が悪化しやすい傾向にありますね。

佐藤さん そうなんです、生活のリズムがガラッと変わっちゃうんですね。動かなくなりますし、お弁当じゃなくて外食が多くなるので。仕事をしている時の方が血糖値がいいんです(笑)。

鈴木先生 それは学校の先生ならではの特徴ですね。カーボカウント法をご紹介したら、あっという間に自分のものにされました。うちのクリニックには24時間体制の患者さん専用の電話があって、何か困ったことがあったらいつでも電話くださいね。って言ってます。でも、佐藤さんからは、一度もかかってきたことはないですね。やっぱり本当に上手いんだと思います。インスリン製剤、グルコースモニタリングシステム、カーボカウント法など糖尿病の治療に関する福音的なものを上手に使いこなされていると感じています。

佐藤さん グルコースモニタリングシステムは血糖値の上下がわかるので、助かっています。僕はラーメンが大好きなんですけど(笑)、食べた後、血糖値を測定してみて、ああやっぱりこのくらい上がるのかとか、実際にわかると納得できますね。やっぱり目に見えるって大切です。色々試験的にやってみて、自分の体で感じる何かとか、総合的に経験値として学習しています。

鈴木先生 糖尿病は長い付き合いをしなくてはならない病気なので、 頑張り過ぎると、糖尿病を治すことが人生の目的になってしまうことがあるんです。私は、これは一番違うことだと思っています。病気はなりたくなったわけではないので、生活の制約は最小限にしたいなと考えています。たとえて言うならオーダーメイドの服を作る感じです。佐藤さんには、インスリン製剤にカーボカウント法とグルコースモニタリングシステムの組み合わせで最高にフィットする服が作れる。今月低血糖が多かったから、ここを調整しましょうとか、来月は暑くなりそうだから、こちらで調節してみてくださいとお話しします。すると実際に実行してくださるので、それが本当に、佐藤さんの力だなと思っています。

佐藤さん HbA1cが8%台のひどい時もありましたが、今は6%台です。先生には食事や運動とか、色々な側面の話を聞いてもらって、相談できて、その結果が数値として出てきたのかなと思っています。好きなものを食べられていますし、好きなことをしています。これらは先生のおかげなので、本当に感謝です。

鈴木先生 これからも佐藤さんの人生に、パートナーとして寄り添っていきたいと考えています。それは私が先頭でこっちに来た方がいい、あっちはだめだよと引っぱるのではなく、佐藤さんが行きたい方向に行くためのサポートをしていきたいと思っています。病気のせいであれやこれができないではなく、通院以外は佐藤さんらしく過ごしてほしいなと思っています。これからも今まで通り、支えていきますので、佐藤さんらしく過ごしてください。応援しています。

佐藤 恭一 さん

佐藤 恭一 さん
19歳で1型糖尿病発症。インスリン製剤で治療中。特別支援学校の先生として勤務。大好きなスポーツを、低血糖や脱水に注意しながら楽しむ。もちろん大好物のラーメンも!

鈴木 亨 先生

鈴木 亨 先生
名取とおる内科・糖尿病クリニック (宮城県名取市)院長 日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医
地域のかかりつけ医として、患者さんそれぞれの事情や仕事に寄り添ってくれる。心のこもったわかりやすい説明は心強い味方の証拠。すらりと背の高いすてきな先生。

左から鈴木先生、佐藤さん

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