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細部シートで歯周病治療 抜いた親知らず 捨てずに活用

  東京医歯大教授ら治験開始

No.4

 

歯周病とは、歯と歯肉の間(歯周ポケット)に歯垢(しこう)が蓄積し、細菌感染により炎症が引き起こされる疾患です。進行すると歯を支える歯槽骨まで破壊されるため歯を失う原因となり、現在、歯を失う原因として最多の約4割を占めます。また歯周病は、血液を通じて脳梗塞や心筋梗塞など様々な全身疾患を引き起こす可能性もあり、糖尿病患者さんにとって、適切な歯磨き、菓子などの糖分の多い食生活の見直し、歯科での定期的な歯石除去、禁煙といった歯周病の予防は重要です。

そんな中、東京医科歯科大学の岩田隆紀教授らが、再生医療を用いた歯周病の新規治療法の臨床試験を行いました。方法は、親知らずなど抜歯した歯の歯根膜細胞から細胞シートを作製し、歯周ポケットの歯根面に移植します。本試験では患者さん自身の細胞を用い、重症7名を含む10名に実施され、移植により歯周ポケットの深さは術前平均5・6mmから術後2・4mm(正常範囲)に減少、歯槽骨の再生も観察されました。また現在まで本治療法に起因する副作用は認めておりません。

これを受け、岩田教授らは、更なる適応症例の拡大を目指して、他人の細胞を使用した医師主導治験を東京女子医科大学歯科口腔外科の安藤智博教授と共に開始し、2020年度中に安全性と有効性を検証する方針としています。今回の歯周病の新たな治療法が普及することで、歯周病の改善・治癒や歯周病が引き起こす糖尿病の悪化、その他の全身疾患などの軽減が期待されます。

 

 

加藤ゆか
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科

監修
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科
教授・講座主任
馬場園哲也

編集協力
北野滋彦、中神朋子、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順

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