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周りとコミュニケーションをとりながら治療を行う

渡邉 奈々さん

会社の健康診断が契機となり糖尿病と診断された渡邉さん。
2型糖尿病であることを周りにオープンにすることで糖尿病の管理に協力してもらい、また、主治医の先生とコミュニケーションをとってご自身にあった治療薬を選択しながら2型糖尿病治療に取り組んでいらっしゃいます。渡邉さんが実践する糖尿病の管理方法、また、2型糖尿病と上手く付き合いながらの生活についてインタビューを行いました。

2型糖尿病であることを隠さず、周りの協力を得ながら管理をする

糖尿病のある親族が母方に多くいたため、気を付けてはいたのですが、会社の健康診断で血糖値を指摘されました。その後、再検査を行い、診療所で2型糖尿病と診断されました。当時は、仕事を変えて間もないころで、ストレスも多く、ストレスで食習慣や体重を管理できていなかったことも原因かと考えています。ただ、のどが渇くなど、糖尿病でよく聞く症状は全くありませんでした。
診断後は入院せず、複数の飲み薬と食事や運動についての管理を始めました。甘いジュースを控えたり、食事の量も気を付けたりしましたが、自炊が難しく外食が多い食生活を送っていますので、すべて完璧にこなして管理するというよりは、できることをできる範囲で管理しています。糖尿病は食生活に気を付けることはありますが、その気を付けることはそれぞれが選択でき、できることをすればいいと思っています。
例えば私は2型糖尿病と診断される以前はお酒を飲んでいましたが、診断後は全く飲まなくなりました。飲まなくても大丈夫なタイプだからです。絶対食べてはいけない物があるわけではなく、食べたい物があればそれを食べて他を我慢することで管理ができます。自分の意思でできることを選択できる2型糖尿病は、難しい病気ではないと思っています。
また、2型糖尿病は他の人に感染する病気ではありませんので、食事を共にする友人などへは2型糖尿病であることをオープンにしています。そうすることで食事管理ができそうなお店を選択肢に含めてくれたり、それ食べていいの?など注意してくれることもあります。

主治医とコミュニケーションをとりながら、自分にあった薬を継続する

私の主治医は2型糖尿病と診断された12年前からずっと同じです。
私の生活や性格を熟知してくださっているので、お薬については主治医の先生にお任せしています。
注射が必要であるといわれたときも、なぜ必要なのかを説明してくださるので、抵抗することなく受け入れられました。ただ、当初、インスリンは寝る前に処方されていたのですが、注射を打つ前に眠くなって寝てしまい、忘れがちでした。そのことを主治医の先生に相談したところ、朝起きて打つことを提案いただきました。朝起きてから打つように変更してからは忘れることなく続けられています。
インスリンなどの注射薬や薬を増やすことに抵抗を示す方が多いとお伺いしますが、私は、薬を増やさずに血糖値が高い状態が続いて合併症を起こす方が怖いと思います。2型糖尿病は治療選択肢が多いため、経口薬や注射薬の中でご自身にあった治療を主治医の先生と相談しながら見つけ、それを続け、血糖を管理していくことが重要だと思っています。

自分の意思で、自分ができる管理を

昔は太っているからとか身体に悪いことをしているから糖尿病になるというイメージがあったようですが、糖尿病はそういう病気ではありませんし、日本では糖尿病である方が増えていると聞いています。
オープンにすることで周りからの協力は得やすくなると私自身、実感しており、オープンにすることはある程度必要であると思います。オープンにすることをためらっている方は、必要以上にカミングアウトをすることはありませんが、隠していくこともストレスになりますので、身近な人へお伝えし協力してもらいながら、少しずつその範囲を広げてみてはいかがでしょうか。
また、糖尿病は絶対これができない、食べてはいけないということはありません。食事や運動など管理する必要はありますが、自身ができることを選択すればいいのです。私はなかなか運動が続きません。ただ、気が向いたときにはバス停を1つ手前で降りて歩いてみたり、できない時は食事に気を付けたりしています。たまに趣味の乗馬で運動とストレス解消もしています。自分の意思でやれることを無理なくやればいいと考えています。
周りの協力を得ながら一緒に2型糖尿病の治療に取り組んでいきましょう。


※この記事は2023年4月に行った取材を基に作成しています。

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