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Blueprint for Change Programme 2021:糖尿病治療へのアプローチ

インスリン発見100周年を記念してノボ ノルディスクが発行した「Blueprint for Change Programme 2021」より、今回は「糖尿病治療へのアプローチ」についてご紹介します。

糖尿病の多面的な課題と本質


糖尿病と聞くと、インスリン投与や血糖値の測定、食事の管理などを思い浮かべ、それに対するストレスや苦労を想像する人が多いでしょう。たしかに、これらは適切な血糖管理を行うためや合併症を発症しないために不可欠です。しかし、ほかにも糖尿病のある方やその家族等にとって、大きな課題があります。

それは、心理的、対人的、社会的ストレスです。糖尿病に対するスティグマや、差別的な扱いを受けたことがある人もいます。糖尿病治療においては、非医学的側面からも、その本質的な課題に向きあう必要があるのです。

 

糖尿病のある方の約2人に1人が悩みを抱えている


糖尿病というだけで固定観念を持たれ、差別をうけたり、その活動範囲が制限されたり、社会的な地位が損なわれたりするリスクを背負ってしまうということがあります。これは、合併症と同じくらい有害なもので、糖尿病ケアに重要な心理社会的アンメットニーズといえます。

下記のグラフにあるとおり、実に、糖尿病のある方の45%、その家族では40%が、深刻な悩みを抱えています。さらに、治療に関わっている医療従事者の中でも、心理社会的な支援サービスの必要性を感じているという人が過半数です。これを改善するには、医学的サポートに加え、心理社会的サポートをおこなう組織的なアプローチが欠かせません。

 


2011年実施のDiabetes Attitudes Wishes and Needs 2 (DAWN2TM) 調査結果。1,2,3

糖尿病のある方の心理社会的ニーズを探る過去最大規模の研究で、患者、家族、医療従事者を含む17カ国から1万5,000人以上が参加。

 

昔と今、糖尿病に対するアプローチの違い


昔のアプローチは、食事療法や治療の計画をよく理解してもらうというような患者さんの教育が主でした。現在は、患者さんが不安や体験を話したり共有したりできる環境をととのえ、自己管理を最適に行えるようなチームの提供へと進化しています。

重点を置くのは、糖尿病を含めたさまざまな慢性疾患を抱える患者さんに対し、エビデンスに基づいたケアを提供することです。これは、「慢性ケアモデル」として広く利用され、次の6つの要素を提示しています4

 

【慢性ケアモデル6つの要素】

・コミュニティ

・医療システム

・自己管理サポート

・送達システムのデザイン

・意思決定サポート

・臨床情報システム

 

「普通の生活」を送れるように支援する集学的ケア


近年、糖尿病ケアチーム、すなわち、糖尿病のある方をサポートするための医療従事者による集学的グループの考え方が注目を集めています。糖尿病ケアの重要な構成要素の一つは、糖尿病のある方が治療の中心にいるようにすることです。これは、糖尿病のある方が糖尿病ケアチームの対等なメンバーであり、医療チームと協力する必要があることを意味しています。このアプローチは、2016年に米国糖尿病学会 (ADA) の標準治療ガイドラインに正式に記載されました5

患者さんにとって、長寿や合併症の予防はもちろん重要で疑う余地はありませんが、患者さん一人ひとりが「普通の生活」を送るために、こうした集合的ケアが重要なのです。

 

 

「Blueprint for Change Programme 2021」全文はこちらからご覧ください。

参照資料

1. Nicolucci A. Kovacs Burns K, Holt R, et al. Diabetes Attitudes, Wishes and Needs second study (DAWN2™): Cross-national benchmarking of diabetes-related psychosocial outcomes for people with diabetes. 2013;30(7):767-77.

2.  Kovacs Burns K, Nicolucci A, Holt R, et al. Diabetes Attitudes, Wishes and Needs second study (DAWN2™): Cross‐national benchmarking indicators for family members living with people with diabetes. Diabetic Medicine. 2013;30(7):778–788.

3. Holt RI, Nicolucci A, Kovacs Burns K, et al. Diabetes Attitudes, Wishes and Needs second study (DAWN2): cross-national comparisons on barriers and resources for optimal care—healthcare professional perspective. Diabetic medicine : a journal of the British Diabetic Association. 2013;30(7):789–798.

4. Wagner EH, Austin BT, Davis C, Hindmarsh M, Schaefer J, Bonomi A. Improving chronic illness care: translating evidence into action. Health affairs (Project Hope). 2001;20(6):64–78.

5. American Diabetes Association (ADA). Standards of Medical Care in Diabetes-2016: Summary of Revisions. Diabetes care. 2016;39 Suppl 1:S4–5.

糖尿病治療のイノベーション~Blueprint for Change~

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