2018年にプロに転向し、チーム ノボ ノルディスクと契約した30歳のサム ブランド選手は、その後も成長を続け、チームの主力メンバーとしての地位を固めてきました。2021年のシーズンは多くのレースに出場し、総走行距離は7,000kmを超え、ミラノ~サンレモとツアー・オブ・デンマークで個人目標を達成するなど、着実な実績を残しました。2022年はさらなるレベルアップを図りたいと考えています。
2019年は躍進の年でした。ツアー・オブ・エストニアの第1ステージで山岳賞ジャージを獲得し、最終的に山岳賞の総合2位となり、ツアー・オブ・タイフーレイクでは総合16位の活躍をみせました。また、ミラノ~サンレモ、アムジェン・ツアー・オブ・カリフォルニア、UAEツアーをはじめとするワールドツアーでも力強い走りをみせました。
ブランド選手のチーム ノボ ノルディスクのキャリアは、エリート トライアスロンチームから始まりました。2013年に、ITU世界トライアスロン選手権のレース出場資格を得たことで、チーム ノボ ノルディスクから注目され、翌シーズンからチーム ノボ ノルディスクのプログラムに参加しました。2014年には、世界選手権予選のノッティンガム トライアスロンの年代別グループで12位、2015年の英国トライアスロン選手権では2位となりました。2015年の大学卒業後、自転車競技に専念することを決断し、2016年のシーズンからチーム ノボ ノルディスクの育成チームに加入しました。
育成チームで大きな活躍をみせたブランド選手は、2017年8月、アメリカの最も過酷なステージレースとして知られているツアー・オブ・ユタに、プロ候補生として出場しました。ブランド選手は、友人や家族の支え、そして今までの努力の結果、プロ候補生として選ばれたと言います。プロ候補生として出場したツアー・オブ・ユタやコロラド・クラシック、ツアー・オブ・チャイナI & II、アー・オブ・ハイナンのレースで力を発揮したブランド選手は、2018年シーズンのチーム ノボ ノルディスクと初のプロ契約を獲得しました。
プロ1年目のシーズンには、マン島代表としてコモンウェルスゲームに参加し、UCIカレンダーで最も長いワンデーレースである300kmにわたるミラノ~サンレモでは、レースのほんの数日前のエントリーにもかかわらず、無事完走しました。
小学校最終学年の年、ブランド選手は糖尿病の典型的な症状を経験し、10歳で1型糖尿病と診断されました。ブランド選手の友人や家族、そして医療関係者は、サッカーやバスケットボールなど彼が大好きな運動を再開できるように、全面的に協力をしてくれました。「子供の頃に糖尿病と診断されたことで、ネガティブに感じたことはありませんでした。家族や周りの人々がサポートしてくれたことに、とても感謝しています」とブランド選手は言います。
マン島生まれのブランド選手は、高校時代を通してさまざまなスポーツで競技していました。トライアスロンの年代別大会にグレートブリテン島代表で出場した経験のある父親の影響から、ブランド選手も地元のトライアスロン大会に参加し始めました。大学1年生を過ぎたころからスポーツに真剣に取り組むようになったブランド選手は、すぐに才能を発揮し、1年もしないうちに2013年度の世界トライアスロン選手権にグレートブリテン島代表として出場しました。
2020
Tour du Rwanda, Stage 5 20位
2019
Tour of Estonia, Mountains Classification 2位
Tour of
Taihu Lake, GC 16位
2017
Vuelta Indipendencia Nacional Republica Dominicana, Stage
1 8位
糖尿病に関するQ&A
糖尿病の診断を受けたのはいつですか? 糖尿病に気づいた経緯を教えてください。
糖尿病の診断を受けたのは10歳の時、小学校を卒業する年度の半ばでした。その少し前に休暇から帰ってきた時に、気分が悪くなりました。その症状には普段から襲われていました。ただし、当時の私には原因が分かりませんでした。大量の水を飲み、何度もトイレに行っていました。
診断を受けたときには、どのように反応しましたか?
まだ幼かったので、何が起こっているのかをよく理解していませんでした。それまで糖尿病のことを聞いたことは一度もありませんでしたし、学ばなければならないことが恐ろしいほどたくさんありました。
家族や友人、仲間のアスリートの反応はどうでしたか?
家族も友人も仲間のアスリートも素晴らしい人たちで、私への扱いは以前と何も変わらず、好きなスポーツを続けるように励ましてくれました。友人も家族も皆、私と同じように多くのことを一緒に学んでくれました。
アスリートとしての人生は終わったと思いましたか? 他の人はどう思ったでしょうか? 医師からはどのように言われましたか?
当時はとても幼かったので、スポーツの経験は限られていましたし、アスリートとしてのキャリアも始まっていませんでした。サッカーやバスケットボールをしたり、陸上競技やトライアスロンにも参加していました。
スポーツに関するQ&A
スポーツを始めた経緯について教えてください。
高校時代には、できるスポーツは何でもやりました。とても楽しかったです!
成人してからは、全国レベルのクロスカントリー競技に参加しました。年齢別のイギリス代表としてトライアスロンに参加していた父にトライアスロンを教えてもらいました。糖尿病の診断を受ける前は、子供向けのトライアスロンに数回参加しましたし、診断を受けた後、ティーンエイジャーになってからも2回ほど参加しました。それからしばらくはレースに参加していませんでしたが、大学に入ってからはトライアスロンに再び真剣に取り組むことを決意しました。
競技を始めたのはいつですか?
真剣に競技に取り組み始めたのは2012年、大学1年生のときでした。ただし、幼いころから他のスポーツ競技にいつも参加していました。
競技を始めた時、自分の糖尿病のことについて誰か (チームメイト/コーチ/トレーナー) に話しましたか?
コーチだけに話しました。その後チームの仲間と仲良くなり、友情が深まるにつれ、彼らにも話しました。何も隠しはしませんでしたし、誰かに話すことを拒んでいたわけでもありません。私にとって糖尿病は隠しておきたいことではなく、むしろ誇りなのです。
アスリートとしてのキャリアのなかで、最も大きな成果は何だと思いますか?
私にとっては、2013年のITU世界選手権にイギリス (AG) 代表として参加する資格を得たことです。
レースや競技にまつわる最も嬉しい思い出を教えてください。
ITU世界選手権に参加し、家族や友人の前で競争することができたことです。とても素晴らしい思い出です。
チーム ノボ ノルディスクの一員として
チーム ノボ ノルディスクに加入した経緯を教えてください。
ソーシャルメディアを通じて連絡を受け、チーム ノボ ノルディスクの一員としてレースに参加することに興味はないかと尋ねられました。その後、あるチームメンバーに連絡したところ、いくつかの質問に喜んで答えてくれました。最終的にはチームから連絡を受け、申請書を提出するように言われました。それからのことはご存じの通りです。
チームに参加してから、生活はどのように変わりましたか? アスリートとしての生活と個人としての生活の両方について教えてください。
参加してからまだ間もないので、それほど大きな影響は感じていません。ただこれまでに受けた支援やサポートを考えると、一日も早く、もっとチームに溶け込みたいと考えています。
自転車競技以外 (その他の興味)
トレーニングやレース以外の時間をどのように過ごしていますか? 他に熱心に取り組んでいるものはありますか?
アウトドアでの活動が好きです。カメラを手に、家族や友人とともに過ごしています。
引退したら、何をしたいですか?
まだ先のことだとは思いますが、何らかのかたちでスポーツに関わっていたいと思います。コーチとして誰かを指導し、そのスポーツの能力を最大限に引き出してあげるというのもいいですね。
人生で最も大切なものを3つあげてください。
・家族と友人
・スポーツ
・糖尿病
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