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糖尿病とともに生きる-連載ブログ第21回:糖尿病とともに生きる上での休息と回復の大切さ

ジャスティン モリス

糖尿病を管理しながら生活していると、時にはストレスを感じてしまうこともあると思います。そんな生活のストレスから解放されるためには、どんな工夫があるでしょうか?ジャスティンさんは休息と回復が大切だと話しています。生活に上手く休息と回復を取り入れるための4つの方法について、今回のブログではご紹介しています。

ぜひ、ブログをお読みください。

 

こんにちは。

今月はストラーンというタスマニアの西海岸にある辺境の町でブログを書いています。ここは人里離れた場所で、昔の入植者たちによる開拓地としての歴史が有名であるだけでなく、人々が忙しい日常生活のストレスから離れて心と体を休める場所としても知られています。

モチベーションの高い人たちにとって、休息とリラクゼーションと回復は毎週のスケジュールから真っ先に省かれがちです。私が書くブログのテーマは、生活でモチベーションを維持することの大切さと維持する方法に関するものが多いですが、今回はその逆について書きたいと思います。リラックスする必要があるということです!つまるところ、モチベーションを長続きさせるには回復と立て直しの機会も必要なのです!慢性疾患とともに生きる人たちは、生活の中で逃れることのできないストレスを絶えず抱えていますから、なおさらです。つまり、私たちにとっては糖尿病以外のストレスから解放されることがより一層重要なことなのです。

 

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そこで今回は、私がこれまでの人生で休息と回復に役立ち、ひいては糖尿病管理の改善につながった4つの方法をご紹介したいと思います。

 

1. 睡眠:

睡眠は、プロのアスリートであったときにとても重要なことでした。身体能力の観点からみても、睡眠が不十分だと実力を発揮することはできません。科学者によると、アスリートには毎晩10時間ほどの睡眠が必要*とのことです。アスリートでないなら、最低7時間の睡眠を目標にすると良いでしょう。私自身、睡眠が糖尿病管理にどれほど影響するかを心得ています。時差をまたいで移動すると、スリープウィンドウ (体が睡眠を求め期待する時間) を失って血糖値が激変し、一時的にストレスが増します。睡眠は体と心を再生するものであり、ストレスや不安を感じたり動揺したりしているときには、私は生活の中で睡眠時間の優先順位を上げるようにしています。

 

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2. 瞑想:

瞑想という言葉を聞くと宗教的なイメージを連想しますが、私は誰もが実践できる大切な手段だと考えます。スポーツの世界には、筋肉をできるだけ迅速かつ効率よく回復させるためのテクニックや手段が数多くあります。マッサージ、マッスルコンプレッションウェア、アイスバスなど、ほかにもたくさんあります。私たちの心の中にも筋肉の部分があり、筋肉のような働きをします。言うまでもなく、最も大切なものです。瞑想は心を回復させる手段です。瞑想といっても、部屋の中で黙ってあぐらをかいている必要はないと思います (それはそれで素晴らしいことですが) 。私はマウンテンバイクに乗っていると瞑想状態のようになります。考えることを止め、ただひたすら目の前の出来事に反応することができるようになります。複雑な思考から脳を休ませる時間を与えるわけです。一方で、テニスやトレイルランニングやボクシングといったスポーツは、完全に「今、その時」に集中するスポーツです。糖尿病は脳のスペースを24時間365日大量に消費するので、糖尿病とともに生きる私たちの脳には、大抵の人たちよりいくぶん多めの回復時間が必要だと思います。

 

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3. セルフケア:

正直に言って、糖尿病を管理することは肉体的にも精神的にも消耗します。セルフケアについても、糖尿病とともに生きる多くの人たちが軽視しがちな方法だと思います。セルフケアとは、何か楽しいこと、たとえつかの間でも生活のストレスを忘れることができることに、定期的に (たとえば毎月、毎週) 時間を割くことです。短時間でもひたすら自分自身に集中して心をリラックスさせる時間を持つことです。そうすることで、長い目で見ればエネルギーとモチベーションと人助けをする意欲が増しますから、一見自分のために行っているように見えても、実は無私無欲の行為です。私は2カ月に一度マッサージを受けるよう心がけています。筋肉にとって大きな肉体的メリットがあるばかりでなく、周囲の雑音を一時的に消して心身を回復させることができます。入浴する、座ってお茶を楽しむ、映画を観る、カウンセラーと面会する、しゃれたお店を訪ねるなど、セルフケアの方法はほかにもあります。ストレスから離れて自分自身に目を向け、心と体の回復を促すもうひとつの方法です。

 

4. 旅行/休暇:

これは誰にでもできるわけではないので、重要度はここで紹介している4つの方法の中で最も低いと考えます。幸運なことに、オーストラリアでは年に4週間の有給休暇が法律で定められているため、自宅や仕事から離れて旅をすることができます。新しい環境や普段と異なる環境に身を移すことで、心や生活のストレスを「リセット」する効果があります。普段と違う場所にいると心の中で普段と違う思考が刺激されます。私たちにストレスを与えるもの (仕事、交通渋滞、通勤通学など) から離れた場所にいると、私たちが気をもんでいたことが本当に重要なのか、あるいは取るに足りないことなのかに気づくことができます。自然の美しい場所へ行くことも心理的にとてもよい効果があります。緑の木々が生い茂る自然の中なら酸素をたっぷり吸って脳の回復に役立てることができます!日本の皆さんもご存じの森林浴ですね。また、休暇は飛行機や電車を使った移動に限りません。市内の馴染みのない地域を日帰りで旅行するのも良いでしょう!

 

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4つの方法をご紹介したかったのは、糖尿病によるストレスを感じ「疲れ果てた」と感じてしまう人を大勢知っているからです。残念ながら、糖尿病と離れることはまだできません。しかし、糖尿病以外のストレスの原因を少しでも軽くすることができれば、糖尿病管理にもっと集中してエネルギーを注げるようになるでしょう。糖尿病に休日はありませんから、せめてそれ以外の厳しい生活に休暇を取り、深呼吸し、しばしくつろぎましょう。

 

参考資料

1*: Cheri D. Mah, Kenneth E. Mah, Eric J. Kezirian, and William C. Dement. The effects of sleep extension on the athletic performance of collegiate basketball players. Sleep.2011; Volume 34, Issue 7: 943–950.

 

 

 

 

ジャスティン モリス

英語版はこちら

 

ジャスティン モリス氏 略歴:

10歳で1型糖尿病と診断されたジャスティンさんは、人生の夢と目標を見失いかけていましたが、糖尿病対策を目的に自転車競技を始め、プロのサイクリストの道へ進むきっかけにもなりました。ロードレースのプロサイクリストとして5年間を過ごし、競技と糖尿病のコントロールを両立させながら世界の5大陸を転戦しました。その間の競技生活から多くのことを学び、競技の中でも外でも困難に対処していく経験と知恵が身に付いたと語っています。

その後、プロ選手を引退してオーストラリアのマッコーリー大学を2015年に卒業し、心理学と教育学の学位を取得しました。大学在学中には、学業だけでなくスポーツ競技でも優れた成績を収めた学生に贈られる「ブルース・アワード」を授与されました。現在もチームSubaru-marathonMTB.comに所属してマウンテンバイクのマルチデー自転車レースに出場しており、変わらぬ健脚ぶりを発揮しています。クロコダイル・トロフィー、シンプソン・デザート・バイク・チャレンジ、パイオニア・イン・ニュージーランド、モンゴル・バイク・チャレンジの各レースで表彰台入賞を果たしています。

2011年からは、自転車競技経験をもとにした情報発信を開始しました。希望と力を与え、逆境を克服するメッセージを世界中の人々に発信し続けています。

連絡先:
Twitter: @JustinMorrisTT1
Instagram: @justinmorrismdog
LinkedIn: https://www.linkedin.com/in/justin-morris-3a71b4a7/www.mindmatterscoach.com


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