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糖尿病とともに生きる-連載ブログ第14回:田仲駿太選手の挑戦と「きっかけ」の大切さ

ジャスティン・モリス

 

1型糖尿病とともに活躍する田仲駿太さんのアメリカでのレース挑戦をサポートしたジャスティンさん。

1型糖尿病をもつアスリート選手に糖尿病と向き合う「きっかけ」をもらったジャスティンさんのように、駿太さんが若い世代の人たちにとって、重要な「きっかけ」となることを願っています。

このブログが皆さんにとっての「きっかけ」になれば嬉しいです。是非、お読みください。

 

 

 

第1回のブログでご紹介したように、私は10歳で1型糖尿病の診断を受け、ジェット機のパイロットになるという夢は叶えられないと告げられました。

しかし数年後、担当医師より糖尿病とともに生きる人々の素晴らしいストーリーを紹介してもらったことにより、夢を断たれた悪いニュースは私にとって別の意味を持つことになりました。

そのストーリーの主人公とは、1990年代にオーストラリアで活躍したラグビーのチャンピオン、スティーブ レヌーフ選手でした。大のラグビーファンだった私にとって、それは糖尿病についての考え方を一変させる大きな「きっかけ」となったのです。

そのおかげで私は、糖尿病によって「できないこと」よりも、「できること」のほうがはるかに多いことに気付きました。それ以来私は、ラグビーではないのですが、自転車を人生の友として生きています。

 

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以前はプロサイクリスト、そして今はアンバサダーとしてチーム ノボ ノルディスクで活動していますが、このチームが多くの人々の人生を変えるような「きっかけ」となっていることを誇りに思っています。

2017年から、英国の「pedal for 7」というイベントに参加しています。このイベントでは、ノボ ノルディスクの社員や医療従事者、糖尿病患者さんが一体となり、最大で7日間、この魅力あふれる国のさまざまな地域を自転車で訪れます。

昨年、私は1型糖尿病を抱える2人の若いサイクリスト、アンドリューとルイにこのイベントで出会いました。彼らがチーム ノボ ノルディスクと交流したのは、このときが初めてでした。そして今年、私はこのイベントに再び参加し、彼らとの再会を果たしました。

二人はチーム ノボ ノルディスクのイベントに刺激を受け、1型糖尿病であっても、スポーツの道を追求していくことを後押しされたようです。

そして今年、米国で開催された「talent ID camp*1」に2人とも招待され、プロアスリートになる可能性が開かれました。私もまた、彼らがチーム ノボ ノルディスクと出会ってからわずか1年で、より意欲的に一歩踏み出す決断をしていることにとても刺激をもらいました。

 

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ルイとアンドリューにとって、私たちのチームが「きっかけ」となったことは間違いありません。チーム ノボ ノルディスクがレースに参戦すること、そして、糖尿病患者さんたちとの交流イベントに参加することが、彼らの闘志に火をつける「きっかけ」となったのです。

このような「きっかけ」となる取り組みこそが、私が少年時代に糖尿病の診断を受け希望を失っていた時に必要だったものです。

これは世界中で行われていることでもありますし、日本においても私自身やチーム ノボ ノルディスクの希望のメッセージが人々の人生に影響を与え続けています。

 

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大分県出身の若きケイリン選手である田仲駿太さんに初めて会ったのは、2017年のことでした。

一緒に自転車に乗ったとき、彼のとてつもないパワーに衝撃を受けました。彼とは、チーム ノボ ノルディスクの地域でのロードショーイベントで出会いました。このイベントでは、チーム ノボ ノルディスクの持つストーリー、そして、糖尿病はチャレンジ・課題ではあるけれど、何かをできなくするようなバリアではないこと、そうやって糖尿病のことをとらえることの重要性を伝えました。

そのとき駿太さんから、世界レベルのケイリン選手になる目標を聞いたのです。彼はそのためのトレーニング計画を立て、実行に移しました。そして2018年、ニュージーランドのサウスアイランドで開催された国際レースに初めて出場し、ケイリン競技(トラックで行われる自転車スプリントレース)に優勝しました。この勝利により、駿太さんは世界レベルの次なるステージに向けて、新たな一歩を踏み出すことができたのです。

 

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今年、私は幸運にも再び駿太さんとともに米国へ行く機会がありました。ここで、彼は初めてUCI大会(トップレベルの国際大会)に参加し、過去の世界チャンピオンやオリンピックの金メダリストとレースで競うことになりました。

また彼がケイリン選手を目指す最初のきっかけとなった憧れの選手とも会うことができました。さらにチーム ノボ ノルディスクの一員でもあるマンディ マルクワット選手とも会いました。彼女はケイリンの全米チャンピオンであり、2020年東京オリンピックの有力な米国代表候補なのです!

 

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今回の旅は、駿太さんだけではなく、糖尿病コミュニティ全体にとって2つの大切なことを気付かせてくれました。

1.    チーム・仲間の大切さ:

アスリートは、誰もがチームメートやスタッフ、友人、家族からのサポートを受けています。最高の成績を達成するアスリートは、コーチやチームメート、そしてライバルとも常に助けあっています。

このことは自転車競技に限らず、人生において成功をおさめる上で非常に重要な要素であると私は考えています。チーム ノボ ノルディスクのマルクワット選手との協力は、その事実をまさに証明するものであり、それが糖尿病とともに生きる人々にとってどれほど大切なものであるかを示すものだと考えています。

2.    新たな「きっかけ」を伝えること:

駿太さんのように海外のレースに参加し、異なる文化や気候、食べ物、言葉に触れた場合、特に若い人にとってはどのように対応すればいいのか判らなくなってしまうことがあります。しかし田仲選手は、落ち着いた態度で対応していました。この経験は、彼の日本の仲間たちに力強いストーリーとメッセージを伝えるものとなりました。ストーリーが身近なものであるほど、そのパワーは強力なものとなります。駿太さんには、糖尿病とともに生きる日本の人々の人生を変える「きっかけ」となる大きなパワーがある、と私は信じています。

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7月下旬より、私は再び美しい日本を訪れ、国内の糖尿病「チーム」メンバーとの出会いを通じて素晴らしい経験を得ました。

日本には、知識もあり情熱も持っている人たちが糖尿病チームとして働いるとても幸運な国です。私がこの国で出会った医師や看護師、サマーキャンプの主催者、糖尿病患者さんは、誰もが意欲的に日本の糖尿病患者さんをサポートしています。ぜひ彼らのもとを訪れてください。そしてこれから先、糖尿病がもたらす課題に直面した際には、彼らの力を借りてください。

糖尿病とは何かをできなくしてしまうバリアではなく、チャレンジ・課題の一つにすぎないのだということを忘れないでください。

最後までお読みいただき有難うございました。

 

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*1: 訳者注: チーム ノボ ノルディスクが毎年開催する若手育成のためのキャンプ。全世界から糖尿病とともにプロサイクリストを目指す選手を招聘し、才能ある選手を発掘します。このキャンプの参加者の中から選ばれた選手が育成チームへ入り、さらにその中からプロチームに入る選手が選抜されていきます。

 

 

 

 

 

ジャスティン モリス

英語版はこちら

 

ジャスティン・モリス氏 略歴:

10歳で1型糖尿病と診断されたジャスティンさんは、人生の夢と目標を見失いかけていましたが、糖尿病対策を目的に自転車競技を始め、プロのサイクリストの道へ進むきっかけにもなりました。ロードレースのプロサイクリストとして5年間を過ごし、競技と糖尿病のコントロールを両立させながら世界の5大陸を転戦しました。その間の競技生活から多くのことを学び、競技の中でも外でも困難に対処していく経験と知恵が身に付いたと語っています。

その後、プロ選手を引退してオーストラリアのマッコーリー大学を2015年に卒業し、心理学と教育学の学位を取得しました。大学在学中には、学業だけでなくスポーツ競技でも優れた成績を収めた学生に贈られる「ブルース・アワード」を授与されました。現在もチームSubaru-marathonMTB.comに所属してマウンテンバイクのマルチデー自転車レースに出場しており、変わらぬ健脚ぶりを発揮しています。クロコダイル・トロフィー、シンプソン・デザート・バイク・チャレンジ、パイオニア・イン・ニュージーランド、モンゴル・バイク・チャレンジの各レースで表彰台入賞を果たしています。

2011年からは、自転車競技経験をもとにした情報発信を開始しました。希望と力を与え、逆境を克服するメッセージを世界中の人々に発信し続けています。

連絡先:
Twitter: @JustinMorrisTT1
Instagram: @justinmorrismdog
LinkedIn: https://www.linkedin.com/in/justin-morris-3a71b4a7/www.mindmatterscoach.com


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