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監修:長岡中央綜合病院 糖尿病センター長 八幡和明先生

●糖尿病であること、インスリン製剤や飲み薬を服用していること、残っているお薬の量を伝える

医療スタッフや避難所の責任者に、糖尿病であることを伝えましょう。また、インスリン製剤や飲み薬を服用していることと、現在持ち合わせているお薬の量と普段使用している量を伝え、あとどのくらいもつのかを医療スタッフと確認しましょう。1型糖尿病の患者さんは、短期間お薬がなくなるだけでも重篤な状態におちいってしまいます。お薬の量が足りないときは、すぐに医療スタッフに相談しましょう。


●体調がすぐれないときは、すぐに伝える

気分が悪い、発熱、下痢、食欲不振などの体調不良がみられるときは、すぐに医師または医療スタッフに症状を伝えましょう


●カロリーを調整する

救援物資の中にはカロリーが高いものもあるので、注意が必要です。おにぎりやバナナ、牛乳などのカロリーを覚えておくと安心でしょう。


●インスリン投与量を調整する*

1型糖尿病のひと:インスリン療法は継続します。
2型糖尿病のひと:食事をとれない場合は、インスリンは基本的には中止。半量位食べられるときは通常の半分を注射します。不安な時は食べた後に注射してもかまいません。
*自己判断で注射をやめてはいけません。医師または医療スタッフに測定値や症状などを伝え、適切な指示をもらいましょう。


震災時における糖尿病セルフケア7か条

① 水分はしっかりととる

トイレの回数を減らすために、水分を補給しない状態が続くと、代謝が悪くなり体のさまざまな部分に悪影響を及ぼします。水分はしっかりとるように心がけましょう。

② 食事の量を意識する

普段食べなれていない食事になることもありますが、食事の大体のカロリーを普段から意識して計算できるようにしておきましょう。救援物資の中にはカロリーが高いものもあるので、注意が必要です。自分で食べる量を調整しましょう。

③ 体重、体温、血圧、血糖値の測定

災害時には、頻繁に測ることは難しくなりますが、機会があれば積極的に測定をしましょう。

④ 薬物療法を中断しない

飲み薬やインスリン注射などの薬物療法は、自分の判断で中断しないようにしましょう。食事内容が変わることで低血糖が心配される場合は、医療スタッフに相談しましょう。

⑤ 感染症から身を守る

うがい、手洗いを行い、マスクの着用を心がけましょう。

⑥ 軽い運動や体操をする

避難所などでは、普段と比べ運動量が極端に減ってしまいます。時間を決めて軽い体操を心がけましょう。

⑦ ストレスをためない工夫をする

不安やなれない環境でストレスがたまってしまいます。散歩をする、周りのひとやカウンセラーと話をするなどして、ストレスをためないよう心がけましょう。

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