糖尿病治療の注射薬で代表的なものは、「インスリン」です。インスリンには様々な種類があります。どうして、いくつも種類があるのでしょう。また、最近では、インクレチン関連薬といわれるGLP-1受容体作動薬という注射薬も登場しています。いったいどんな違いがあるのでしょう。
私たちの体には、24時間たえまなくインスリンが分泌されています。インスリン分泌には、基礎分泌と追加分泌があります。このふたつのインスリン分泌で、血糖値が維持されています。
生理的なインスリン分泌と血糖値の推移
患者さんのインスリンの分泌状態はそれぞれ異なるため、インスリンの分泌を本来のかたちに近づけるためには、作用する時間や持続する時間が様々な種類のインスリンが必要です。
図はイメージですが、山の高さがその時間にインスリンが効いている強さと考えてみて下さい。この山が血糖値の高い時間にあたるようインスリンの量や種類を調整していきます。
インスリン製剤の作用と持続時間の特徴
最近では、インスリン製剤も種類が増えています。また、全く新しいタイプの治療薬であるGLP-1受容体作動薬という注射薬も登場しました。主治医の先生と相談の上、自分の生活に合わせて、安全で、より安定した血糖コントロールをめざしましょう。
次回は「震災とインスリン」をお届けします。
監修 内潟 安子 [ 創刊によせて
]
東京女子医科大学
東医療センター 病院長
編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
アイウエオ順
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