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マイベストパートナー

孫と祖父のようにずっと一緒に過ごしたい

No.16

清野先生 堀内さんに初めてお会いした時、「あれっ?!」って顔をなされ、「先生、孫に似ている・・・」と仰ってましたね。

菊川さん 先生は私の孫にちょっと似ているんですよ。診察室に入って、ふと顔を見たら一瞬、孫がいる!と思いびっくりしました。「あれ、お前どうしてここにいるんだ??」、でもよく見たら別人です(笑)。実は孫も医師になるための勉強中ですが、あの時はまだ大学院のはずなのに、もう患者さんを診察しているのか?と錯覚したんですね。懐かしい思い出です。

清野先生 私が堀内さんの主治医になったのは2019年からですが、堀内さんは2 型糖尿病歴が10年以上です。現在、内服薬のみの治療でHbA1c も6%台で良好ですね。お話を伺うとかなり健康的な生活をしていらっしゃいます。

菊川さん 趣味の農業が楽しくて、楽しくて!色々な野菜を作るので、体をたくさん動かすことができるんです。夏場は汗もかきますし、運動量もありますが、冬はなかなか大変です。家の階段をなるべく多く使うようにしたり、少しずつ工夫して運動量を増やすようにしています。

清野先生 体重が1 キロ程度増えていますね、とお話すると次の診察の際には必ず元に戻っています。中々できないことですけど、何か秘訣があるのですか?

菊川さん 秘訣ってほどではないですけど、先生のご指導を忠実に実行に移すようにしています。例えば、体重が少し増えたら、炭水化物を少し減らして、野菜を増やすようにしています。10 数年の治療の間に、糖尿病の悪化で、目が見えなくなったり、足が悪くなる方を、見たり聞いたりしてきました。本当に恐ろしいし、辛いことだと思います。他人事ではなく、そうなりたくない、そうなるくらいなら、先生の仰ることを実行するのが一番です。怖いからこそ、努力が長く続くのでしょうね。

清野先生 なるほど、堀内さんは趣味も多いから、それも治療の役にたっているのかもしれません。

菊川さん 好きなことするのも大事ですね。カラオケも大好きです。趣味の農業も病気の治療も、何もかも一所懸命なんです(笑)。

清野先生 丹精込めて作ったスイカをいただいて、すごくおいしくてびっくりしました。実は私はスイカ嫌いだったのですが、今では毎年楽しみにしています(笑)。

菊川さん 嬉しいな!また一つ、農業をする楽しみが増えました。先生が山梨医科大学附属病院から都留市立病院に来てくださって、本当によかったです。先生方は気心が知れた頃、大学病院に戻ってしまうことが多かったので、少し寂しかったのですが、堤先生がもう1 年続けて来てくださるとわかったときは、本当に嬉しかったんですよ。大げさですけど、命を先生に預けているのですから、ずーっといてほしいというのが本音です。

清野先生 ありがとうございます。堀内さんはたくさんの趣味や楽しみがあって、それらが糖尿病の治療にもよい影響を与えているのだと思います。病気に捉われるだけでなく、人生の楽しみもたくさん満喫してください。

菊川さん 先生はどの患者さんにも親身になって指導してくれています。無理はいえないけど、先生も体に気を付けて、ずっと元気で診てほしいです。大学病院に戻っても、昇格して、また戻って診てくださったらいいなと思っています(笑)。

清野先生 糖尿病治療の目的は、糖尿病のない方と変わらない寿命や生活を維持することですが、堀内さんはそれを達成していますね。本当に理想形だと思っています。糖尿病治療に対する高い意識がそれを支えているのでしょう。ご自身の明るい性格もよい治療に繋がっているように思います。これからも元気に過ごしていきましょう。

 

堀内 一雄 さん
2型糖尿病を内服薬で治療中。仕事はタクシードライバー。趣味は農業とカラオケ。季節ごとの野菜作りは運動療法にも食事療法にも活用中。

堤 貴大 先生
山梨大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科 日本糖尿病学会(専門医)

まっすぐな眼差しと、すっと伸びた背筋が印象的。医学の知識を活かし、健康で簡単に作れるおいしいレシピもたくさん作って公開中。時に応じ、白衣とエプロンを着替えながら、患者さんの治療を見守る、快活な先生。

左から堤先生、堀内さん

監修 [ごあいさつ]
東京女子医科大学内科学講座糖尿病・代謝内科学
教授・基幹分野長
馬場園哲也

編集協力
大屋純子、小林浩子、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順

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