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マイベストパートナー

糖尿病患者の気持ちを共有できるからいっしょに笑顔で過ごしていこう

No.13

家光先生 私は元々整形外科が専門でしたが、自分が糖尿病になったことがきっかけで、糖尿病の専門医になりました。大山さんは私が1 型糖尿病と診断し、インスリンで治療した最初の患者さんです。

大山さん 1994年(平成6 年)のことですから、あれからもう約30年ですね。私はスリムだったし、先生も若かった(笑)。

家光先生 あの頃、大山さんがスリムだったのは、1型糖尿病の状態がよくなかったこともありますね。

大山さん 2型と思っていた糖尿病が1型と分かった時は、やはりショックでした。1型糖尿病は治らない病気と聞いたので、オーマイガー(Oh my God)! ですよ(笑)。当時はまだ40代で、仕事は大忙しでした。スクールを運営していて、スタッフの生活もありましたからね。病気に負けるわけにはいかないという強い思いがありました。この病気を受け入れないと次には進めない!そう思いました。病気やインスリンの注射を受け入れるには1週間かかりました。

家光先生 1週間というのは、とても早いですね!なかなかできることではありません。

大山さん 先生は国内だけでなく、海外の最新の糖尿病に関する情報にも精通しています。それに先生自身も糖尿病なので、私の気持ちを共有してくれるかなという期待もあり、若くて、これから!という先生に診ていただこうと思いました。

家光先生 大山さんは日本に住んでいますけど、食生活は外国人ですよね。

大山さん シンガポールで生まれて7歳まで過ごし、その後、日本の横浜で育ちました。シンガポール人の母は料理人で、子供の頃から美味しい料理をたくさん作って食べさせてくれました。だから食べることが大好きです(笑)。3週間の糖尿病の教育期間で、糖尿病やインスリンについても色々学びました。まだまだ、たくさん美味しいものを食べたいから、インスリンを打つことは苦になりませんでしたね(笑)。

家光先生 大山さんは病気にもインスリン注射にも前向きに向き合っていますね。大山さんとは患者さんとしてだけでなく、クリニックの英会話の先生としてのお付き合いもあります。

大山さん プライベートでも楽しいパーティーをいくつもご一緒しましたね。先生がどこに移られても、ずっと追いかけてきました(笑)。この病院のオープニングパーティーもお手伝いさせていただいて、あの時は楽しかったですね。先生が気に入ってくれたマレーシアのカレーもおいしい思い出です。
病気については、先生の言うことを聞いていれば大丈夫だと思ったから、先生を信じて付いて来ました。病院では治療について、アドバイスしてもらいますが、プライベートの時は楽しまないと! 治療について、話し合ったことはなかったですね。

家光先生 病気や治療について、言葉の問題で説明したことのニュアンスが通じていないのではと心配に思うことがあります。でも、そこは何度でもコミュニケーションをとって、お互いの理解を深めてきました。

大山さん 私は好きな言葉があります。”Laugher is the song of your heart.” 笑いは心に届き響く音楽です。笑うことは大切です。どんなことがあっても!ですね。

家光先生 今はもうインスリンでの治療は、ネガティブという時代ではないです。何よりも健康に気を付けて、長く楽しい人生を送ってください。これからもずっと応援しています。

 

大山 昭文さん
1型糖尿病をインスリン強化療法で治療中。大阪万博で日本での英語教育が必要と感じ、以来、英会話スクールを運営する。明るい笑顔と気さくな人柄は、周囲の人、みんなの笑顔を引き出す素敵な英語の先生。

家光 浩太郎先生
港南台家光クリニック(神奈川県横浜市)院長
日本糖尿病協会認定療養指導医

自身が糖尿病であるからこそ、患者さんに糖尿病やその治療を理解していただくことに心をくだく。気持ちに寄り添い、歩み寄る心優しいドクター。

左から大山さん、家光先生

監修 [ごあいさつ]
東京女子医科大学内科学講座糖尿病・代謝内科学
教授・基幹分野長
馬場園哲也

編集協力
大屋純子、小林浩子、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順

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