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ペンといっしょに

インスリンを勧める理由

No.2

主治医は、どのような時にインスリンを勧めるのでしょうか。
インスリンを勧める第一の目的は「血糖コントロールをよくする」ことです。良好な血糖コントロールにより、合併症の予防が期待でき、将来も、糖尿病でない方と同じような生活を送ることができます。生活スタイルに合わせた方法で、医師に勧められたらインスリンをまず使ってみましょう。

どんな時に勧めるのでしょう。

  1. すぐにインスリン治療をしなければ、命に関わる可能性がある場合。
  2. 食事療法や運動を心がけ、血糖値を下げる薬を服用しても、血糖コントロールがうまくいかない場合。
  3. 高血糖が持続していると、インスリンを出す、すい臓のβ(ベータ)細胞が弱ってきて、だんだんインスリンを出せなくなってきます。そのため、さらに高血糖になるという悪循環に陥ります。また、インスリンの働きが悪くなるインスリン抵抗性のある方も、高血糖によりいっそうインスリンの働きが悪くなり血糖値が高くなってしまいます。このような高血糖の悪循環を糖毒性と呼び、インスリンはこの悪循環を断ち切る必要がある時にお勧めします。

どうしてそんなに勧めるの?

  • インスリンは生きるために必要なホルモンです。インスリン分泌がほとんどない方や、分泌が少ない方は、インスリンを補う必要があります。
  • 2型糖尿病患者さんの場合、インスリンを注射で補うと、すい臓を休ませることができます。休んで元気になったすい臓は、またインスリンを出せるようになる可能性があります。
  • 糖尿病の合併症を予防するには、少しでも早く良好な血糖コントロールを保つことが肝心です。

不安なことは、主治医に聞いてみましょう。

東京女子医科大学中央検査部臨床検査科
東京女子医科大学糖尿病センター
佐藤 麻子

次回は「低血糖の影響」をお届けします。

監修 内潟 安子 [創刊によせて ]
東京女子医科大学
東医療センター 病院長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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