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糖尿病NEWS解説

自転車で広島へ 夢への一歩

No.21

1型糖尿病の中学生、父と挑戦

2017年の夏、13歳の少年が自分の夢への第一歩として、神奈川県逗子市から900㎞離れた広島市まで、自転車の旅に出発しました。旅といっても箱根山を越えたり、プロのロードバイクレーサーがチャレンジするような、様々な障害のある過酷な旅です。


少年は2014年初めにサイクリングを始めましたが、数ヵ月後に1型糖尿病と診断されました。「もうみんなと同じように運動はできないのかな」と不安に襲われました。しかし、そんな思いを変えたのは、ジャパンカップサイクルロードレースを観戦して知った、選手が全員1型糖尿病というユニークなプロサイクリングチームです。少年はトレーニングを重ね、いつかチームの一員になるという夢を追いかけ始めました。

1日8〜10時間、150〜160㎞をめどに、5日間かけて広島市を目指しました。暑さ、疲れ、山道での走行、そして、糖尿病の管理など、自分と向き合いつつ、目の前の試練を一つひとつ乗り越えていきました。

少年の挑戦は、1型糖尿病と共に生活するたくさんの人々を元気づけ、治療に積極的に取り組み、それぞれの人生の目標に向けて生きていけることを教えてくれます。

東京女子医科大学 糖尿病センター
小林 浩子

監修 内潟 安子 [創刊によせて ]
東京女子医科大学
東医療センター 病院長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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