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フレイル対策の食事摂取基準

  厚生労働省 たんぱく質の割合など改定

No.3

 

近年、高齢者の増加に伴い、「フレイル」が問題となっています。「フレイル」とは、加齢に伴う運動機能や認知機能の低下により日々の活動が低下し、健康障害を来しやすい心身の虚弱状態のことをいいます。特に高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、様々な合併症を引き起こしたり、要介護状態に至る可能性があることから、その予防は重要です。

厚生労働省は、健康増進法に基づく日本人の食事摂取基準(2020年版)の改定案に、フレイル対策として高齢者の食事摂取目安を盛り込むことを示しました。高齢者ではたんぱく質摂取量が少ないことが、フレイルのリスクを増加させると報告されています。そのため、今回の改定案では、「65歳以上の人は毎日、体重1キロ・グラムあたり1グラム以上のたんぱく質を摂ることが望ましい」という考え方を基に、1日の食事の総エネルギー量に対するたんぱく質の目標量が改められました。現在の基準では、全年代を通じてたんぱく質の割合は「13〜20%」とされていますが、改定案では50〜64歳「14〜20%」、65歳以上「15 〜20%」と、中年〜高齢者ではたんぱく質の目標量下限が引き上げられました。摂取上限が20%と据え置かれているのは、特に炭水化物の制限下でのたんぱく質の取りすぎが、腎機能の悪化や糖尿病発症につながる恐れがあるとの報告があるためです。厚生労働省は近く改定案を決定し、2020年春から新基準を適用する予定としています。

 

 

志村香奈子
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科

監修
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科
教授・講座主任
馬場園哲也

編集協力
北野滋彦、中神朋子、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順

管理番号:JP19DI00051