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糖尿病NEWS解説

「SGLT2阻害薬」糖尿病初期から服用で腎機能低下を抑える作用

No.12

大分大医学部教授ら、学会の雑誌で発表、患者数減少に期待

糖尿病の治療薬の一つであるSGLT2阻害薬が、血糖値を改善するだけではなく、腎臓や心臓を保護する作用も持つことが注目されています。

SGLT2 阻害薬は、血液中のブドウ糖を尿と一緒に体から出して血糖値を下げる薬で、服用することで体重減少も期待できます。近年、同阻害薬が腎臓の働きが低下した糖尿病のある方に対して、さらなる腎機能の低下や心血管疾患を防ぐ効果があることが報告されましたが、腎臓の働きがまだ低下していない糖尿病の初期から服用しても、腎機能の低下を防ぐことが分かりました。SGLT2 阻害薬を早期から投与することで、腎臓の負担を軽くし、糖尿病性腎症の重症化予防が期待されます。

内服にあたり注意点がいくつかあります。体内の水分が少なくなることにより、脱水症状を起こすことがありますので、服用中は適度な水分補給が大切です。また尿に糖分が含まれるようになり細菌が繁殖しやすくなるため、尿路・性器感染症などに注意が必要です。治療法の選択については主治医にご相談ください。

※2022 年9月現在、日本では数種類のSGLT2 阻害薬が承認されています。個々のSGLT2 阻害薬の適応については、主治医にご相談ください。

井倉 和紀
東京女子医科大学 糖尿病 ・代謝内科

監修
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科
教授・講座主任
馬場園哲也

編集協力
北野滋彦、小林浩子、佐伯忠賜朗、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順

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