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コンシェルジュ

災害に備えるためには、どのような準備と心得が必要ですか

No.9

災害時に自分を助けるのは自分自身です。いざという時の準備は、備えても備え過ぎと言うことはありません。“災害発生後の3日間”を自分の力で生き抜くんだという意識を持つことが災害の一番の心得です。

災害時の状況のイメージトレーニング

災害時は平時には体験しないようなことが起こります。その状況を具体的に想像することは難しいですが、過去の災害の経験、被災地の様子などを参考にするのが良いと思います。自分の事に置き換えて、どんな危険が迫り、どんな対処が必要なのかイメージトレーニングしてみましょう。そして、何を備えるべきか、身近な人と一緒にしっかりと考えておくことが大事です。お住まいの地域の防災マップを利用したり、実際に避難所まで歩いてみたりするのも良いことだと思います。

薬、飲み水、食料の備えをしっかりと

災害発生直後は薬、飲み水、食料などは、急病や命にかかわる状況にある方が優先されることが多く、また、流通が止まり必要な物の入手が困難になることも考えられます。薬、飲み水、食料などは1週間分程度を自宅や職場など生活範囲に分けて備えておきます。保険証やお薬手帳のコピー、薬のほか、インスリン製剤をお使いの方は注射針、血糖自己測定器やそのチップ、消毒綿、ブドウ糖など、災害時にすぐに持ち出せるように準備しておきましょう。

食べ物を準備する時のポイント

緊急用の食料は、おにぎりや麺類など炭水化物に偏っており、塩分過多で野菜が摂れないことも多く、血圧や血糖の管理がうまくいかなくなる可能性があります。防災用に準備する食料として、保存のきく野菜ジュースや野菜の多いレトルト食品、減塩の缶詰などを準備しておくのも良いでしょう。

ご高齢の方へ

避難が必要な場面では、速やかに避難してください。また、避難の時に助けてもらえる方と常日頃から連絡を取っておくことが大切です。避難所ではストレスも多く体調不良になったり、トイレの環境が整わないことから自主的に水分制限をして脱水になったりする方がいます。夏冬問わず、なるべく水分を摂るよう心がけましょう。

長谷川 夕希子
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科

監修
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科
教授・講座主任
馬場園哲也

編集協力
北野滋彦、小林浩子、佐伯忠賜朗、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順

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