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コンシェルジュ

お風呂に入るときに気を付けることはありますか

No.7

一日の疲れをとり、リラックスできる“お風呂”。しかし、冬になると入浴中の事故が多くなります。急激な温度変化や水圧などが原因で溺水、心筋梗塞、脳卒中、そして、熱中症などを引き起こします。特に高齢で糖尿病のある方では注意が必要です。

お風呂に潜むリスク

●脱衣室
裸になると皮膚温が下がり、末梢血管が収縮して血圧が上がります。

●浴槽
浴槽に入ると温熱効果で血管が拡張し、血圧が下がります。水中では水深1cmにつき1g/cm2 の水圧がかかります。この圧力で静脈やリンパ管から心臓に戻る血液が増え、心臓や肺に負担がかかります。長時間、高温のお風呂に入ると、発汗により脱水や熱中症になります。

●出浴時
お風呂から上がると血管が拡張していたのに加え、水圧がなくなることで起立性低血圧を起こしやすく、転倒・失神の原因になります。

●その他
入浴では10分間に30~40キロカロリーのエネルギーが消費されると言われています。血糖値を下げる薬を使っている人は低血糖を起こすことがあります。また、アルコールによる血圧低下で眠くなり、事故に繋がることもあります。

入浴時の注意

●脱衣室や浴室はあらかじめ暖めておきましょう。脱衣室や浴室の暖房設備を使用しましょう。暖房設備がない場合はお風呂のふたを開けておくのも良いです。

●湯温は41度以下、つかる時間は10分までを目安にしましょう。特に首までつかる時間を短くしましょう。

●体調が悪い時、食事直後、飲酒後の入浴は避けましょう。また、精神安定剤や睡眠薬などの服用後も入浴を避けましょう。

●浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。手すりや浴槽のへりにつかまってゆっくり立ち上がりましょう。

●入浴の前後で水分補給をしましょう。

●早朝や深夜など家族の目が届かない時間の入浴は避け、家族に声を掛けてから入浴しましょう。

●高齢者が入浴している場合は家族もその動向に注意しましょう。5分ごとくらいに声を掛けたり、様子を見たりしましょう。

柳澤 慶香
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科

監修
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科
教授・講座主任
馬場園哲也

編集協力
北野滋彦、中神朋子、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順

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