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大血管障害 (狭心症・心筋梗塞・脳卒中・末梢動脈疾患)

監修:順天堂大学大学院医学研究科 代謝内分泌内科学 教授 綿田 裕孝先生


 

高血糖が持続すると動脈硬化が進み、以下の病気の原因となりますので注意が必要です。

1)狭心症

2)心筋梗塞

3)脳卒中

4)末梢動脈疾患 (足潰瘍、足壊疽<あしえそ>)   など

動脈硬化は、年齢とともに血管が古くなり、硬く狭くなった状態ですが、その部分に血栓が生じやすくなったり、血液が流れにくくなったりすることでさまざまな病気が発症します。

糖尿病は動脈硬化を悪化させる主な要因のひとつです。

患者:先生、本当に激しい胸の痛みだったのです。息ができなくなるなんて、これまで経験したことのない痛みでした。

医師:きっと狭心症ですね。長い期間、高血糖が改善していないようですし。お薬はきちんと飲まれていますか?

主な大血管障害の病気


1)狭心症

心臓の表面に走っている3本の大きな動脈を冠状動脈と言います。冠状動脈のある部分で動脈硬化により血管が詰まったり狭まったりすると、その動脈から血液をもらっている心筋 (心臓を動かす筋肉) は虚血状態 (血がない状態) を起こしてしまいます。

一時的 (一過性) に虚血が起こることを狭心症といい、胸の痛みや胸部の圧迫感が症状として現れます。

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狭心症


2)心筋梗塞

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心筋梗塞

発症のきっかけは狭心症と同じですが、心筋梗塞の場合は冠状動脈の虚血状態が持続して、心筋が壊死してしまう病気です。しばしば命をおびやかす重大な不整脈を生じることがありますが、糖尿病のある方の場合、心筋梗塞が起こったときは無症状で、のちに心不全が発症してはじめて気づかれることがあります。


3)脳卒中

脳卒中は、脳梗塞と頭蓋内出血に分けられます。

脳梗塞は脳の血管が詰まったり、狭まったりして血液が流れにくくなることなどが原因となって、その血管が流れていた脳の組織が壊死してしまうことです。病変が起こった動脈によって現れる症状が異なります。たとえば、前大脳動脈の場合は片方の足の麻痺が起こったり、周囲への無関心が現れたりします。

頭蓋内出血は、脳をおおっている3つの膜のあいだや脳組織の中に起こる出血を言います。くも膜下出血や脳出血は高血圧症や動脈硬化によって起こることがあります。

 

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脳卒中


4)末梢動脈疾患(足潰瘍、足壊疽)

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間歇性跛行

足の動脈の動脈硬化が進み、足に流れる血液が不足することです。症状は「冷感・しびれ感」「間歇性跛行<かんけつせいはこう>」「安静時痛」「潰瘍・壊疽」の4つの段階に分けることができます。間歇性跛行は、一定の距離を歩くと痛みやこむら返りが起こり歩けなくなり、休憩すると痛みがなくなって再び歩くことができるようになることです。更には、歩かずにじっとしていても足が痛み、夜眠れないほどの痛みが現れることもあります (安静時痛) 。

足潰瘍や足壊疽は血行障害が進み、傷などをきっかけに潰瘍ができる、あるいは壊死してしまうことです。

 

参考

公益社団法人日本糖尿病協会 編:糖尿病連携手帳 第4版, 2020

厚生労働省. 厚生労働省e-ヘルスネット 閉塞性動脈硬化症.

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-083.html (2022年7月)

糖尿病の合併症

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