
食後、インスリンの作用によって速やかに低下するはずの血糖値が高いままになっている状態を「食後高血糖」と呼びます。膵臓からインスリンが分泌されるタイミングが遅れたり、分泌量が十分ではなかったり、あるいはインスリンの効きが悪くなることが原因です。つまり食後高血糖は、膵臓の機能低下の最初のサインと言えます。この段階で「マッタ!」をかけましょう。
通常の健康診断では空腹時の血糖値を測定するため、この値から食後高血糖の存在を知ることはできません。手掛かりとなるのが、直近1~2カ月における血糖値の平均の指標となるHbA1c (ヘモグロビン エーワンシー) の値です。つまり、空腹時の血糖値が高くないにもかかわらずHbA1cが高いなら、平均を押し上げてしまう原因があります。その1つの可能性として疑われるのが食後高血糖です。健康診断の検査項目にHbA1cが入ってないようならば、かかりつけ医に相談して測ってもらいましょう。
HbA1cが5.6%以上で肥満があれば、「特定健康診査・特定保健指導」、いわゆる「メタボ健診」において支援の対象になります。つまり、HbA1cが少し高めの段階で手を打つ必要がある、というわけです。とはいえHbA1cでわかるのは、あくまでも血糖値の“平均”。これだけでは食後高血糖を見逃すこともあります。そこで、食後1時間の血糖値や尿糖を測ってみるのも手です。
こうした検査の結果から食後高血糖が疑われるようならば、医療機関に相談して糖負荷試験を受けましょう。食後の血糖変動の様子が詳しくわかります。