血液に含まれる糖 (ブドウ糖) は、生きるために欠かせないエネルギー源。食事からとり入れた糖を、体や頭のエネルギーとして消費するという"需要と供給"のバランスがとれていれば問題はないのですが――。
「食べ過ぎることがよくある」「菓子やジュースがやめられない」「これといった運動はしていない」「最近太り気味」――。思い当たる人は、余った糖が血液中に停滞し、必要以上に糖の濃度
(血糖値) が高まった状態、「高血糖」になっている可能性があります。
遺伝的な素因や心理的ストレスの影響も大きく、さらには、ただ年をとるだけでも、高血糖のリスクは高まります。
健康診断で「血糖値は正常」と言われた人も安心できません。空腹時の血糖値が高くなってくるよりも前に、食事の後にだけ血糖値が急上昇する「食後高血糖
(”血糖値スパイク”とも呼ばれています) 」を起こしている可能性があるからです。食後高血糖を繰り返すうちに空腹時の血糖値も上がり、ついには糖尿病を発症することもあります。
2016年の国民健康・栄養調査によると、糖尿病とその予備群の合計は約2,000万人。成人の5人に1人が該当します。その数は増え続けていて、もはや国民病という域に達しています。
このほか、血液の流れが悪くなり、神経も傷み、免疫力も低下する……といったことが連鎖的に起こることで、歯周病や皮膚炎、感染症、勃起不全
(ED) といった病気にかかりやすくなります。さらには高血糖が認知症や骨の弱化、がんと関連していることも、数々の研究報告から明らかになってきました。
高血糖は、まさに「老化と万病のもと」。今すぐ手を打ちましょう。
※1 Lancet. 1999 Aug 21;354(9179):617-21. Diabetologia. 2004 Mar;47(3):385-94.
※2 J Clin Invest. 1993;91(6):2463–2469.