
CGMは「Continuous Glucose Monitoring」の略で、日本語では「皮下連続式グルコース測定」と呼ばれています。その名のとおり、数日間連続して血糖値を測定することができるシステムで、血糖自己測定 (SMBG) では十分に把握できなかった血糖変動の推移を知ることができます。
低血糖を正しく理解しよう
~低血糖と、その存在を知るために役立つ持続血糖測定 (CGM) のおはなし~
CGMは「Continuous Glucose Monitoring」の略で、日本語では「皮下連続式グルコース測定」と呼ばれています。その名のとおり、数日間連続して血糖値を測定することができるシステムで、血糖自己測定 (SMBG) では十分に把握できなかった血糖変動の推移を知ることができます。
画像提供:日本メドトロニック株式会社
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CGM機器は、センサーを皮下に刺して間質液中のグルコース濃度を測定し、体に装着した測定器にデータを記録します。測定は10秒ごとに行われ、5分ごとの平均値が記録されるようになっており、1日288回の測定値を記録することができます。
最近は小型の機器が開発されており、防水性も高くなっていることから、日常生活での使い勝手が格段に向上しています。
画像提供:日本メドトロニック株式会社
CGMにより、これまでは誰も見ることができなかった血糖値の実際の変動が、目に見える形 (グラフ)
でわかるようになりました。日常の食事や行動の記録、さらには治療内容と照らし合わせることにより、生活習慣や薬物治療が血糖変動にどのように影響しているかを一目で判断することができます。
特に、睡眠中の血糖変動を見ることができる意義は大きく、このCGMが使われるようになってから、夜間低血糖を起こしている患者さんが予想以上に多いことがわかってきました。
血糖値は、食事の内容や量、運動の内容、そして使用している薬によって変動します。一般に、血糖値が高いときと低いときの差 (これを血糖変動幅といいます) が大きいほど動脈硬化が進行し、大血管障害などの糖尿病合併症につながりやすいと考えられています。従って血糖変動幅を狭め、血糖値の推移をできるだけフラットにする必要があるでしょう。
生活習慣ならびに薬物治療と血糖変動との関係がわかるため、より良好な血糖管理につながる方策をたてることが可能になります。たとえば、CGMによって夜間低血糖が判明した患者さんの場合は、夜間低血糖を起こしにくいようなインスリン治療に切り替えるなど、最適な治療を選べるようになります。
CGM機器は2010年に医療機器として保険適用となり、使用できる医療機関が増えてきました。対象者につきましては、細かい規定がありますので、主治医の先生に相談してみるとよいでしょう。なお、CGM測定1回の自己負担額は3割負担で約5,000円程度となります。しかし、自由診療にて実施している病院もありますので、詳細はかかりつけの病院にお問い合わせください。
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