飲み薬による糖尿病治療とは?
監修:東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 主任教授 宇都宮一典 先生
経口血糖降下薬は、インスリン非依存状態にあり、食事療法・運動療法を十分に行っていても血糖コントロールがうまくいかない患者さんに使われます。
つまり、経口血糖降下薬で治療効果を望むことができるのは、自分のすい臓からインスリンを出す力が残っている、「インスリン非依存状態」にある患者さん(多くは2型糖尿病)です。
経口血糖降下薬による治療が適切でない患者さん
・ インスリン注射をしなければ生命が維持できない患者さん
・ 妊娠中または妊娠の可能性がある患者さん
・ 手術前後の患者さん
・
重症感染症がみられる患者さん
・ 重症の肝障害・腎障害がみられる患者さん
・
合併症を発症し、厳格なコントロールが必要である患者さん
しかし、経口血糖降下薬で治療を行っていても、血糖コントロールが悪化するときもあります。
糖尿病の治療の目的は、“良好な血糖コントロールを維持することで、合併症の発症や進展の抑制を目指す”ことです。経口血糖降下薬でコントロールの改善が認められないときには、合併症がでる前にインスリン治療を始めるなど、かかりつけ医に相談してみましょう。