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糖尿病NEWS解説

遅い夕食はやっぱり太る 朝の光と朝食で体内時計をリセット

No.4

夕食が遅いなど食事の間隔が乱れると体内時計がずれることを、早稲田大学の研究チームが明らかにした。ずれた体内時計を修正するには、早い時間に夕食を摂り、朝食をきちんと食べることが重要。

忙しくなるとなぜか太る—遅い夕食、朝ごはんを抜く、夜勤をすると太るという経験を私もします。食事は量やバランスだけではなく、食事をする時間が大切だと経験的に言われていました。近年、学問的に体内時計が注目されています。体内時計には年単位から時間単位までいろいろあります。朝は活動性を起こすようなホルモンがたくさん出てくる時間帯で、血糖は朝になると上昇します。これを暁現象と呼んでいます。血糖の変動は避けたいですが、活動性にスイッチが入らないと、時差ぼけのように日中の活動性が低下するだけではなく、肥満しやすく、糖尿病になりやすいことが報告されています。朝の活動のスイッチを入れる刺激として、光刺激と絶食時間後の食事があります。この二つがそろって活動性にスイッチを入れることが大切なのです。すなわち、夕食はあまり遅い時間に摂らず、夜更かしはせず、寝る部屋は暗くします。そして、朝起きた時には朝日を浴びて、朝食を必ず摂ることで、体の活動性が上がり、太りにくくなるということです。また、運動は朝よりも夕方のほうが効率的にブドウ糖を使うとの報告もあります。食事療法・運動療法は体内時計に合わせて、効率的に行いたいものです。

東京女子医科大学 糖尿病センター
尾形 真規子

監修 内潟 安子 [創刊によせて ]
東京女子医科大学
東医療センター 病院長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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