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2型糖尿病治療について

 

2型糖尿病の治療の基本は食生活の見直しと運動を行う生活習慣の改善です。
ただし、それだけでは血糖を管理することが難しい場面もあります。その場合は生活習慣の改善とともにお薬による治療を行います。
現在、2型糖尿病の治療に使用されるお薬は、効果を発揮する仕組みによって10種類に分類されます。一人ひとりの糖尿病の状態やライフスタイルなどを考慮してお薬は選ばれています。
もし、現状の治療でお悩みのことがある場合は、主治医の先生に相談してみましょう。

【2型糖尿病治療に使われるお薬】※1


α-グルコシダーゼ阻害薬

血糖値を下げる仕組み1
糖の吸収を遅らせることによって、食後の高血糖を予防します。

投与方法1
1日3回、食事の直前に服用する「飲み薬」です。


SGLT2阻害薬

血糖値を下げる仕組み1
腎臓で糖が血液中に再吸収されることを防ぎ、尿中への糖の排泄を促進して、血糖値を低下させます。

投与方法1
1日1回服用の「飲み薬」です。


チアゾリジン薬

血糖値を下げる仕組み1
インスリンの作用が十分発揮できていない状態を改善して、血糖値を低下させます。

投与方法1
1日1回服用の「飲み薬」です。


ビグアナイド薬

血糖値を下げる仕組み1
肝臓での糖の生成を抑制し、また、消化管からの糖の吸収を抑制し血糖値を低下させます。

投与方法1
1日2~3回服用の「飲み薬」です。


イメグリミン

血糖値を下げる仕組み1
血糖値が高い時に、インスリンの分泌を促進し、またインスリンの作用が十分発揮できていない状態を改善して血糖値を低下させます。

投与方法1
1日2回服用の「飲み薬」です。


DPP-4阻害薬

血糖値を下げる仕組み1
血糖値が高い時に、インスリンの分泌を促進し、また、血糖値を上げるグルカゴンというホルモンの分泌を抑制して血糖値を低下させます。

投与方法1
1日1-2回服用、または週1回服用の「飲み薬」です。


GLP-1受容体作動薬

血糖値を下げる仕組み1
血糖値が高い時に、インスリンの分泌を促進し、また、血糖値を上げるグルカゴンというホルモンの分泌を抑制し血糖値を低下させます。

投与方法1
1日1-2回投与又は週1回投与の「注射薬」と1日1回服用の「飲み薬」があります。


スルホニル尿素薬 (SU薬)

血糖値を下げる仕組み1
インスリンを分泌する膵臓のベータ細胞に働きかけて、インスリンの分泌を促進させて血糖値を低下させます。

投与方法1
1日1-2回服用の「飲み薬」です。


速効型インスリン分泌促進薬 (グリニド薬)

血糖値を下げる仕組み1
インスリンを分泌する膵臓のベータ細胞に働きかけて、インスリンの分泌を促進させ血糖値を低下させます。

投与方法1
1日3回、食事の直前に服用する「飲み薬」です。


インスリン製剤

血糖値を下げる仕組み1
血糖値を下げるホルモンのインスリンを直接、体に投与し血糖値を低下させます。

投与方法1
1日1回から複数回投与の「注射薬」です。

お薬一覧

10種類のお薬の特徴を一覧にまとめました。

※1:効果を発揮する仕組みが違うお薬を組み合わせた配合剤や配合注もあります。
※2:重篤な並びに重度の肝機能または腎機能障害については各添付文書に明確な定義の記載はありません。
    なお、重篤な腎機能障害は腎機能の指標であるeGFRという値が15未満※3と定義されています。5
    重篤な肝機能障害は肝機能の指標であるALTが正常値の10倍以上と定義されています。6
※3:eGFRの単位はmL/min/1.73m2が使用されます。

引用:
1.日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド2022-2023 文光堂:P40-41, 2022
2.日本糖尿病学会コンセンサスステートメント策定に関する委員会「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」:糖尿病 65 (8):419-434, 2022
3.Davies MJ et al.:Diabetes Care 45 (11):2753-2786, 2022
4.各製剤添付文書
5.日本腎臓学会 編集:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018 東京医学社 P122 2018
6.日本肝臓学会/肝炎診療ガイドライン作成委員会 編:B型肝炎治療ガイドライン 第4版 P98 2022

 

糖尿病の検査と治療

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