Go to the page content
3 min. read

糖尿病と診断されるまでには、どのような検査があるの?

監修:国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 院長 門脇 孝先生


糖尿病は、自覚症状がなく進行する病気です。そのため、『糖尿病を見つけるための検査』や『糖尿病と診断された後も、定期的に状態を把握するための検査』はとても大切になります。ここでは、糖尿病に関する検査について一緒に勉強しましょう。

 

「糖尿病と診断されるまでには、どのような検査があるの?」

糖尿病の診断を行う上では、さまざまな検査があります。ここでは、代表的なものについて紹介していきます。

血液の検査

血液中のブドウ糖 (血糖) がどれくらいあるのかを調べます。食事によって、血糖値は上がったり下がったりするため、食 事前の「空腹時血糖値」や一定量のブドウ糖を水にとかしたものを飲み、その後血糖値がどう変化するかを調べる「75g経口ブドウ糖負荷試験」、そして食事の時間を考えないで測定する「随時血糖値」があります。
 

 (1)空腹時血糖値の測定 (検査方法:採血)
  10時間以上何も食べていない状態で測る血糖値を指します。
 

 (2)75g経口ブドウ糖負荷試験 (75gOGTT)  (検査方法:採血)
  現在糖尿病の疑いが否定できない方に、強く実施が推奨されています。
  具体的には、下記のいずれかに当てはまる方です。
   ・空腹時血糖値が110~125mg/dL
   ・時間関係なく測定した血糖値が140~199mg/dL
   ・HbA1cが6.0~6.4% (ただし、口渇、多飲、多尿、体重減少などの糖尿病の症状が存在する場合を除く)

さらに将来的に糖尿病になるリスクが高いと考えられる方でも、実施が推奨されています。具体的には、下記のいずれかに当てはまる方です。

   ・空腹時血糖値が100~109mg/dL
   ・HbA1cが5.6~5.9%
   ・濃厚な糖尿病の家族歴や肥満が認められる

これ以外でも、高血圧・脂質異常症・肥満など動脈硬化のリスクを持つグループでは75g経口ブドウ糖負荷試験の実施が望ましいとされています。

 

注意事項
  ・検査が終わるまで、喫煙と運動は控えてください
  ・上部消化管造影X線検査や内視鏡検査の実施後には行わないでください
  ・小児と妊婦の場合は別の基準となります

〔日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド 2020-2021, P28, 文光堂, 2020より一部改変〕

糖尿病に関する検査には、どのようなものがあるの?

こんなページを見ています

糖尿病食レシピ

糖尿病食レシピ

糖尿病食レシピ 糖尿病だからからといって、食べてはいけないものは特にありませんが、栄養バランスや総摂取エネルギーを考えた「食事療法」を実践することが大切です。バランスのよい食事のヒントとなるようなレシピをご紹介しています。

 

JP23CD00087