糖尿病について徹底解説。血糖値・HbA1cから
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自分でインスリンが注入できなくなった場合はどうすればよいのでしょうか。
ご自身が心得ておくべきことやサポートしてくれる家族や介護に携わる方に伝えるべきポイントについてご紹介します。

 

● 在宅介護などが必要となった場合は、ご家族と一緒に、改めて現在の糖尿病や合併症の状態、行っているインスリン療法について、主治医に詳しく話を聞きましょう。

● 患者さんのご家族は、医師や看護師に手技を習い、習得すれば、インスリン注入や血糖自己測定ができます。ご家族は使用しているインスリン製剤の種類や注入するタイミング、インスリンが効果を発揮する時間、注入する量のほか、血糖自己測定器の使い方も主治医から習いましょう。

● 日本糖尿病協会発行の「インスリン自己注射ガイド」には、インスリン製剤の保管方法、注入部位とそのローテーション、インスリン注入器の取り扱いなどが記載されているので活用しましょう。

● インスリン使用による低血糖が起こりやすい時間や、低血糖を避けるための分食の時間、運動する時間の設定なども家族に理解してもらいましょう。

● 低血糖の症状が現れた時は、血糖自己測定の結果が70mg/dL 以下でなくても、補食をして症状がなくなるかをいっしょにみてもらいましょう。簡易測定器には誤差があります。あくまでも目安です。

● 発熱や胃腸症状などで体調が悪い時や、食事が摂れない時など、インスリン注入について迷った時は、自己判断で中止したりせず、必ず主治医に相談することを伝えましょう。前もって、具合が悪い時や、食事が不規則となる時のインスリンの調整方法を、ある程度家族に話して理解してもらうのもよいです。

 

● 介護施設や訪問看護を始める時に、今までの主治医から、糖尿病や合併症の状態、食事や運動量、インスリン注入について、今後の指示をもらいましょう。そして、それらを介護施設や訪問看護の担当者にお渡しして、ご自身の糖尿病の状態をしっかり理解して頂き、治療を続けてもらいましょう。

● 介護施設や訪問看護の医師や看護師は、糖尿病専門ではないことがあります。入所後の体重の増減、低血糖の頻度など、気になることがあれば、介護施設や訪問看護の医師や看護師と相談の上、糖尿病専門医を受診し、アドバイスをもらうことも可能です。

● 介護プラン(ケアプラン)の中に、インスリン注入や血糖自己測定の実施や確認を組み入れてもらうのもよいでしょう。

 

● 体重変化、合併症などの全身状態、低血糖、日常生活での変化などを介護に携わる方に、よく観察して頂き、気になる点があれば、医師に伝えてもらいましょう。

● 心臓や足腰に問題がある方は、体重増加により体への負担が大きくなりますが、反対に過度な食事制限による体重減少は、筋力や免疫力の低下につながります。体重減少から高血糖状態であることがよくみつかります。高齢の患者さんでは、体重管理は大切です。

 

● ご自身のことは、できるだけ自分でできるようにしたいものです。視力や握力が低下した方でも、工夫次第で自分でインスリン注入が可能です。本冊子の12号と16号でも視力や握力が低下した場合の工夫を紹介していますので、ご参考にして下さい。

● 現在行っているインスリン療法が難しいと感じた場合や、血糖コントロールが不安定になったと感じる場合には、インスリン製剤の種類や注入回数について医師に相談し、一緒に解決策を考えましょう。

 

高齢で糖尿病のある方は増えており、介護施設や在宅療養でインスリン療法をサポートしてもらう状況は増えていきます。ご家族やサポートする方々と連携して、良好な血糖コントロールを継続できるようにしましょう。

 

 

 

東京女子医科大学糖尿病センター
尾形 真規子

 

 

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
糖尿病センター センター長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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