糖尿病について徹底解説。血糖値・HbA1cから
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小川先生 根本さんとの出会いは、県外の大学を卒業されて、ご実家に戻っていらした時でしたね。

根本さん はい、それまでは男性の先生に診て頂いていました。ご紹介いただいた先生が女性だと思っていなかったので、ちょっと嬉しかったのと親しみを感じたのを覚えています。

小川先生 そうだったんですね。私はね、素直で、しっかりした方だなという印象でした。どうしたらこの若さで、糖尿病を受け入れ、自然体でいられるのかしら?どんなきっかけがあったのだろうと、不思議に思ったほどですよ(笑)。

根本さん 特に劇的な何かがあったわけではないです。我慢できずに甘いものも食べていた普通の学生だったと思います(笑)。学校でインスリンを使うのもなんとなくイヤで、1 日3 回のインスリンも朝、晩と寝る前に家で注射していました。

小川先生 血糖コントロールは良好で、HbA1c もずっと6%台で安定していますね。お仕事は養護教諭を選ばれましたけど、何か理由があったのですか?

根本さん 高校時代にサマーキャンプに参加した時の講話で、1 型糖尿病の女性は結婚や妊娠・出産は可能ですが、大変なこともあることを知りました。将来は子どもが欲しいなと漠然と思っていたので、妊娠・出産に臨んだ時に困らないよう勉強したいと思って、結果、養護教諭になりました。

小川先生 なるほどね、若い時から糖尿病を受け入れ、自分の将来の姿も思い描いていたんですね。

根本さん サマーキャンプには小学校高学年から参加し始め、同世代の1 型糖尿病の友達ができました。情報交換にも役立ちましたし、年上の方々の様々な生き方を見たり聞いたりできたのは、将来を考えるにあたって、とてもよかったと思っています。

小川先生 結婚の報告もとても嬉しかったし、妊娠について相談してくれた時には、血糖コントロールが良好だったので、すぐにOK を出しました。

根本さん おかげ様で無事に元気な男の子を授かりました。

小川先生 糖尿病患者さんの妊娠では、妊娠前や妊娠中は良好な血糖コントロールが保てても、出産後は血糖コントロールが荒れる方もいます。根本さんの場合は、ここでも優等生。出産後も良好な血糖コントロールが保てていますね。

根本さん 子どもとの生活はなかなか大変です。子どもと一緒に自分も食事をするつもりで、インスリンを注射したら、子どもの食事に時間がかかり、自分の食事が摂れなくて、低血糖を起こしそうになったこともありました。

小川先生 思うようにならないことは多いですね。大人の生活の工夫が大事になります。

根本さん 子育ては楽しいけれど、大変なこともたくさんあります。

小川先生 お母さんが頑張っている姿は、お子さんがちゃんと見ていますよ。ご主人も含め、家族に評価されながら、素晴らしいお母さんになっていくのだと思います。よいお母さんになろうって、すごくがんばっているでしょう。でも、自分をいたわることが、子どもを愛することに繋がることもあるんですよ。

根本さん なるほど、親が子どもを見るだけでなく、子どもも親を見ていてくれる存在なんですね。

小川先生 そうそう、これからはお子さんが一番の主治医になるかもしれませんね。ベストパートナーの称号はお子さんに譲ることになるかしら(笑)。

根本さん これからも今まで同様、先生にお世話になりたいと思っています。お医者さんとして、女性として、また人生の先輩としてお話しを聞かせて頂けたらと思います。

小川百合子先生
小川医院(日立市)院長 日本糖尿病学会 専門医
医院の2 階には大きな鏡がはめ込まれた広いダンスフロア。様々なダンスだけでなく、器具を用いた運動療法の指導にも活用されている。包み込むように見守って下さる深みのある優しさは、医師だけでなく母としての強さと愛情を感じる。

 

根本教子さん、榮多くん
6 歳で1 型糖尿病を発症し、10 歳からインスリンで治療を続けている。育児休暇もそろそろ後半。
1 歳半( 撮影時)の榮多くんとの時間はとても楽しいけれど、仕事への意欲が少しずつ顔を出してきた時期。自然体で糖尿病、子育て、そして人生に向き合う姿は、まさに「ありのままで」。

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
糖尿病センター センター長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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