監修:国立がん研究センター中央病院 総合内科・歯科・がん救急科 科長 大橋 健先生
2013年5月に、日本糖尿病学会と日本癌学会から糖尿病とがんに関する委員会報告が発表されました。日本人約33万人の疫学データから、糖尿病(主に2型糖尿病)は肝臓がん、すい臓がん、大腸がん、全がんのリスク増加と関連していたことがわかりました。
日本糖尿病学会・日本癌学会 糖尿病と癌に関する委員会: 糖尿病と癌に関する委員会報告. 糖尿病56(6): 374-390. 2013より作成
しかし、糖尿病だから必ずがんになる、というわけではなく、その背景には食生活や生活環境などのさまざまな要因があると考えられます。食事、運動、体重コントロール、禁煙、節酒などの生活習慣の改善は、血糖コントロールのみならず、がんの予防につながる可能性のあることも指摘されています。
したがって、いたずらに恐れるのではなく、定期的にがん検診を受けながら、糖尿病本来の治療を行いましょう。良好な血糖コントロールを目指していくことががんの予防にも大切になります。
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