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糖尿病とともに生きる-連載ブログ第2回:それぞれの地域における糖尿病の課題

こんにちは、ジャスティン モリスです。1型糖尿病のオーストラリア人です。元プロサイクリストとして、経験をしてきたことを紹介しています。今回は、第2回目です。

私はまず自転車競技者として、そして1型糖尿病とともに生きる者として、幸運にも5大陸を旅することができました。これらの経験をご紹介することで、みなさんに様々な異なる国の生き方をお伝えすることができると思います。世界の中には、自転車にとても寛大な国があり、サイクリストとしてとても親近感を持てます。西ヨーロッパは、自転車が大変人気のあるスポーツの一つで、交通手段としても広く浸透しています。

私は若い頃から自転車競技にのめり込んでいました。高校時代は、4つのアルバイトを掛け持ちしてお金を貯め、19歳で遠く離れたフランスのアルプスへ2カ月間に渡り、サイクリングとレースに挑みました。この挑戦は、私のサイクリング人生の中でも忘れられない素晴らしい経験です。

また、2013年には、5日間のレースに参加するため、旧ソ連のアゼルバイジャンに行ったこともあります。首都バクーは自転車がスポーツや交通手段として浸透していないため、車道を走る車はお構いなしに迫ってくるような環境でした。自転車競技用自転車の細いタイヤを装着し、この慌ただしい通りを走った私は、世界の様々な地域におけるサイクリングのアプローチの違いを目の当たりにしました。

糖尿病とともに生きていく人生も同様に、世界各地で固有の課題や姿勢があります。チーム ノボ ノルディスクのアンバサダーとしての仕事を通し、私は世界のそうした違いを学べることに感謝しています。

 

2018年3月に、私は日本に訪れ、国際的な自転車レース「ツール・ド・とちぎ」に出場したチーム ノボ ノルディスクを応援しました。また、1型糖尿病の治療に携わる医療従事者に面会しました。この4度目の日本訪問で、私はこの素晴らしい国で糖尿病のある方が直面している課題を痛感しました。

日本では、糖尿病の医薬品へのアクセスが良く、糖尿病のある方の医療体制は備わっています。しかし私が日本で出会ったみなさんは、日本の糖尿病のある方にとって一番難しい課題は社会的側面であると話されていました。学校に通う子どもたち、学生や社会人の患者さんは、日常生活の中で特別扱いされるのを恐れ、糖尿病であることを認めることが難しい場合があるようです。これには、日本特有の周囲の目を気にする文化が関わっていることを学びました。こうした問題は、簡単には解決することは難しく、慎重なアプローチが必要だと思います。

しかし、どんなことにも例外があるように、私は糖尿病があることを周りに伝え、誇りを持って糖尿病と生活している日本の患者さんたちに出会うことができました。彼らは、糖尿病であることの違いによる恐怖感のほうが、糖尿病を受け入れることよりはるかにダメージを受けることに気がついたのです。公共の場や、人前で注射することは、日本の糖尿病のある方にとってはとても不安なことです。しかし、その不安に立ち向かい、必要な時に必要な場所で注射できた患者さんの多くは、実際には想像していたほどの問題ではなかったことに気がつくのです。

このストーリーは、世界中の糖尿病のある方の課題を解決するために共有し、みんなで実践していく必要があると思います。プロの外国人スポーツ選手や糖尿病で有名な俳優から話を聞くことと同じくらい有益で、同じ悩みを抱える人々の輪を広げ、糖尿病のある方の夢の実現への鍵になると思います。

お手本となる存在つまりロールモデルは、私にとって、糖尿病とともに幸せで健康的な生活を送る上で欠かせません。私は、世界中の糖尿病コミュニティーで心が揺さぶるような多くの出会いがあり、彼らからインスパイアされ続けています。そして、多くの人がロールモデルになれるような、糖尿病であるほかの患者さんたちを励ますストーリーを持っていることに驚かされます。

ロールモデルは自分のストーリーを打ち明け、人々に経験を共有することが求められます。私は昨年チーム ノボ ノルディスクロードショーという日本各地で公演をするイベントで、若い自転車トラック競技選手の田仲駿太さんに出会いました。彼は、今年ノボ ノルディスク ファーマのスポンサーシップを受けることになり、私は非常に誇りに思いました。

駿太さんは、地方の糖尿病コミュニティーにとっての理想的なロールモデルであり、既に地元で糖尿病の変革を起こしています。大学自転車競技のチャンピオンが、オリンピックで駿太さんと戦う日が来ると信じています。

日本滞在後、私は講演のため日本からマレーシアに向かいました。10分間というプレゼンテーションの中で、観客に向けて短くも力強いメッセージを考えるため最善を尽くしました。私は日本での経験を通して、メッセージをまとめることができ、日本での経験に改めて感謝しました。

駿太さんと出会い彼自身の成功を見て、私自身や他の糖尿病のある方にとって成功するための鍵は何かということを気づかせてくれました。

私が今後、南アジアとオセアニアで広めることができる鍵とは次の2つです:

-インスリン

そして

-インスピレーション

私は、チーム ノボ ノルディスクのようなロールモデルである駿太さん、そして地元の医療従事者の方とお会いできてとてもラッキーです。彼らとのエピソードは、糖尿病のある方の成功と健康への架け橋として広がっていくでしょう。

また、私は糖尿病とともに生きる人生とは何であるかということを見てきました。それはまた今後のブログで詳しくお伝えしていきたいと思います。

私たちのエピソードはオーストラリアと日本で展開されていますが、もっと世界へ向けて発信していく必要があると考えます。私は今回の日本での出会いに感謝しています。もし、世界へと進んでいけば、さらに他の多くの出会いが待ち構えていることでしょう。

 

私の美しい故郷、オーストラリアのタスマニア州ホバートに戻ったら、今回の旅と糖尿病とともに生きることで得た勇気、そしてインスピレーションを振り絞り、歯医者で歯を5本を抜くという課題に立ち向かう予定です。アスリートであることと、エネルギー補給で糖分の多い食べ物を食べ続けてきたことで5本の歯が犠牲となってしまいました。しかし、私は2つの要素、すなわちインスリンとインスピレーションを持っているのできっとこの困難も立ち向かえることでしょう!

ではまた。

ジャスティン モリス氏 略歴:

10歳で1型糖尿病と診断されたジャスティンさんは、人生の夢と目標を見失いかけていましたが、糖尿病対策を目的に自転車競技を始め、プロのサイクリストの道へ進むきっかけにもなりました。ロードレースのプロサイクリストとして5年間を過ごし、競技と糖尿病のコントロールを両立させながら世界の5大陸を転戦しました。その間の競技生活から多くのことを学び、競技の中でも外でも困難に対処していく経験と知恵が身に付いたと語っています。

その後、プロ選手を引退してオーストラリアのマッコーリー大学を2015年に卒業し、心理学と教育学の学位を取得しました。大学在学中には、学業だけでなくスポーツ競技でも優れた成績を収めた学生に贈られる「ブルース・アワード」を授与されました。現在もチームSubaru-marathonMTB.comに所属してマウンテンバイクのマルチデー自転車レースに出場しており、変わらぬ健脚ぶりを発揮しています。クロコダイル・トロフィー、シンプソン・デザート・バイク・チャレンジ、パイオニア・イン・ニュージーランド、モンゴル・バイク・チャレンジの各レースで表彰台入賞を果たしています。

2011年からは、自転車競技経験をもとにした情報発信を開始しました。希望と力を与え、逆境を克服するメッセージを世界中の人々に発信し続けています。

連絡先:

Twitter: @JustinMorrisTT1
Instagram: @justinmorrismdog
LinkedIn: https://www.linkedin.com/in/justin-morris-3a71b4a7/www.mindmatterscoach.com

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