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2/2No.24 糖尿病と認知障害(2010年1月発行)

運動は認知症を遠ざける

糖尿病治療の基本は食事療法と運動療法ですが、実は運動は認知症の発症を遅らせ、進行を抑えるのに効果的なことがわかっています。週3回以上の運動は、認知症の発症予防に有効であるという報告もあります。糖尿病だけでなく、認知症も遠ざける運動療法をもう一度見直して、続けていきましょう。

初期のアルツハイマー病では、外出がこわくなり、自宅に閉じこもり、うつ状態になることがあります。周囲の人が声をかけて、一緒に外出する機会を作りましょう。低血糖時のための補食を持って出るのを忘れずに。脳血管性認知症では、運動や外出時には定期的な水分摂取を心がけ、脱水を予防しましょう。認知症を考える時、糖尿病にもよい運動療法の効果を最大限に活かしていただきたいと思います。

生活の中の工夫

認知症が始まったら…… 具体的にできる生活の工夫をご紹介しましょう。

生活の中の工夫

<食事>


認知症が進むと、自分で凝った料理を作るのは難しくなります。市販のお惣菜の多くは油や脂肪が多く、塩分や糖分が多くなりがちで、糖尿病、ひいては認知症にはマイナスです。利用する回数をなるべく減らすか、選ぶお惣菜は薄味で魚や野菜を中心にし、ビタミンを十分摂るように心掛けてください。尿失禁の症状を気にして水分を控えるのは脱水から脳循環障害を起こすことがあるので、よくありません。それよりも、行きたくなってから行くのではなく、時間を決めてお手洗いに行くなどの対処をしましょう。

<薬の管理>

認知症が始まったら、なるべく薬の種類や服用方法、インスリンの単位などは変えないように考えています。新しい治療は、患者さんにとって習得が難しく、治療を継続する上で混乱しないようにするためです。患者さんご自身による薬の自己管理が難しくなったら、周囲の方の援助による方法を考えます。

薬の管理は目に見える形のチェック方法を活用しましょう。たとえば、針や内服薬を1日分ずつまとめておくのはよい方法ですが、針や内服薬のごみをすぐに捨てず、1日分ずつまとめて捨てる方法があります。針であれば、コップをひとつ用意して、使用後の針を入れます。針の数を数えれば、その日に打った回数を確認できます。内服薬は、空き箱など利用し、飲んだ薬の包装をその箱に入れれば、同じようにその日に薬を何回服用したか、飲み忘れはないか確認することができます。

またメモを取ることも有効です。でもメモ帳はいつも同じ見える場所に置くか、身につけているようにします。

<周囲のサポート>

最近は高齢者夫婦世帯や一人暮らしの高齢者も増えてきました。認知症があることや進行に周囲が気づかないことが多いのです。日頃の会話(電話や訪問)を増やし、状況を把握しましょう。もともと頭脳明晰な方が、一般的な状態になっても認知症症状です。日常生活がコントロールできず、急激に血糖コントロールが悪化する場合があります。おしゃれな方が服装に構わなくなり、食べこぼしのシミがついたままの衣服を平気で着るなど目に見える症状もあります。血糖コントロールが悪くなり、入院治療が望ましいのでは?と考えがちですが、一般に入院は急激な環境の変化であり、認知症症状が悪化することもあります。患者さんご自身が今までどおりの生活を維持できるよう、生活環境を支えてあげる方法を主治医と一緒に考えましょう。

ご自身やご家族が認知症の気配を感じたら、早めに主治医に相談してください。治療が難しくても、できることはたくさんあります。対処の方法を一緒に考えましょう。認知症では介護保険を活用することも可能で、申請すればショートスティやリハビリなどの援助も受けられます。

どんな人でも年齢を重ねるごとに、脳の機能は少しずつ衰えてきます。しかし、読書、ダンス、散歩、楽器の演奏やボードゲームなどの趣味をもち、楽しむ人は、認知症の発症が遅れるという調査結果もあります。体と脳に心地よい刺激を与え、認知症を少しでも遠ざけるよう努力していきましょう。

佐倉宏

尾形 真規子 ( おがた まきこ )
東京女子医科大学糖尿病センター 講師
1987年東京女子医科大学卒業。
東京厚生年金病院にて内科研修後、1989年東京女子医科大学糖尿病センター入局。病棟長、医局長、外来長を経て現在に至る。
日本内科学会内科専門医、日本糖尿病学会専門医および指導医、日本医師会認定産業医、日本糖尿病学会評議員

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