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1/2No.24 糖尿病と認知障害(2010年1月発行)

糖尿病患者さんでは、高齢の方も多く、認知症やアルツハイマー病などの合併も危惧されます。今回は、糖尿病と認知障害について、また、認知機能の低下した患者さん自身、そして周囲の方々ができる生活の工夫や対策について、東京女子医科大学糖尿病センター尾形真規子先生にお話を伺います。

糖尿病患者さんと認知機能の低下

糖尿病患者さんの数が世界的に増加し、日本でも2007年の厚生労働省の調査では、糖尿病が強く疑われる方は890万人、糖尿病の可能性を否定できない方は1,320万人と報告されています。また一方で、日本では高齢化社会が急速に進んでいます。年齢とともに、誰でも少なからず認知機能が低下することや、血管の病気の発症リスクが高くなることなどを考え合わせると、今後、認知機能低下の問題を抱える糖尿病患者さんが増えていくことが考えられます。

<糖尿病と認知機能>

近年、糖尿病と認知機能の関連性について研究が進んでいます。糖尿病患者さんには、脳血管障害(脳出血や脳梗塞)を原因とする脳血管性認知症の発症が多いと言われてきました。しかし最近の研究では、糖尿病はアルツハイマー病の発症にも関与することがわかってきました(図)。

図 糖尿病における認知症の発症機構

図 糖尿病における認知症の発症機構

<糖尿病とアルツハイマー型認知症>

アルツハイマー病の患者さんでは、脳にβアミロイドという蛋白質が沈着することが知られていますが、脳内でインスリンの受容体が低下していることもわかってきました。またアミロイドは、糖尿病患者さんのすい臓にも沈着しており、これがインスリンの分泌低下と深く関わるとされています。すい臓と脳に沈着するアミロイドは異なる蛋白質ですが、糖尿病とアルツハイマー病の発症機序は、何らかの共通性を持っているのではないかと考えられています。

アルツハイマー病の発症を高めることがわかっているものには、インスリン抵抗性による高インスリン血症、高血糖そして肥満などがあります。

脳内では、インスリンは代謝や記憶や学習など神経伝達の調節に働いています。末梢での高インスリン状態は、脳内のインスリン減少やインスリン抵抗性に繋がります。すると、脳におけるインスリンの働く力が弱くなるため、神経伝達が低下するのではないかと考えられています。

認知症かな? と思ったら

アルツハイマー病や脳血管性認知症などの認知症では、記憶があいまいになり、物忘れがひどくなることが起こります。認知症により、薬や食事の管理ができなくなることは、血糖コントロールの悪化に繋がります。高血糖状態も認知症だけではなく他の合併症の引き金になりますし、重い低血糖は認知症発症に大きなリスクとなります。

糖尿病もそうですが認知症もご自身や家族が発症に気がつく数年前から、体(脳)の中の変化は起こり始めています。「ちょっと変だな?」と感じることがあれば、なるべく早期に、脳の機能テストや画像診断(MRI)などを受け、認知症のタイプの診断を受けることが大切です。他の病気による認知症状である場合があること、また認知症であっても、タイプにより、進行の仕方や、認知機能の低下に伴う身体機能の低下や出方に違いがあり、対処が違ってくることがあるためです。何よりも、早期診断により認知症のタイプを見極め、それに適した治療を開始することで、進行を遅らせることも可能だからです。

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