糖尿病について徹底解説。血糖値・HbA1cから
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糖尿病の薬物治療のひとつにインスリン療法があります。インスリンを使用するのは、どんな場合でしょう。

 

● 1 型糖尿病は体内においてインスリンの絶対的不足状態が起きています。そのため、毎日インスリン注射が必要になります。

● 2 型糖尿病では、食事療法、運動療法に加え、内服薬による薬物療法を続けても血糖コントロールがよくならない場合に、インスリンを使用します。

たとえば

・血糖値がとても高い時(空腹時血糖値250mg/dL 以上、 随時血糖値350mg/dL 以上)

・内服薬で血糖コントロールができない時

・ステロイド薬を使用していて血糖値が高い時

・栄養状態の悪い時  

  などにインスリンを使用します。

 

インスリンで血糖コントロールが必要な場合インスリンで血糖値を下げないと生命の危険に関わる場合や、他の治療法で良好な血糖コントロールが得られない時などには、インスリンでなければ治療ができない、つまりインスリンが必要になります。

 

<急激に著しい高血糖になった時>

(糖尿病ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群など)

● 糖尿病ケトアシドーシスは、主に1 型糖尿病の方が、インスリンを中断したり、体調を崩した時や、2 型糖尿病の方が清涼飲料水を大量に飲んだ時など、血中インスリンが不足して高血糖(250mg/dL 超)と脱水になった状態です。

● 高血糖高浸透圧症候群は2 型糖尿病の方が、感染症や手術、利尿薬やステロイドの使用をきっかけとして、著しい高血糖(600mg/dL 超)や脱水を起こした状態です。

● これらの時には、すぐに、また確実に血糖値を下げなくてはならないために、インスリンを使用します。

 

<肝臓や腎臓の状態が悪い時>

● 肝臓や腎臓は薬の吸収や排泄に大きく関係しています。肝臓や膵臓の働きが悪い場合には、内服薬が肝臓や腎臓に負担をかけることもあるので、インスリンで血糖値をコントロールすることがあります。

 

<重症の感染症やけが、やけどなどの時>

● 肺炎など重症の感染症や、大きなけが、広い範囲のやけどがある場合には、血糖値が高くなることが分かっています。

血糖値が高いと、免疫の働きが低下して、さらに感染症が悪化します。しっかりと血糖値をコントロールするためにインスリンを使用します。

<全身麻酔を行うような大きな手術の時>

● 手術や麻酔は血糖値を上げる要因のひとつです。血糖値が高いと、感染症のリスクが高くなったり、傷の治りが悪くなったりします。手術前から手術後まで、血糖値を管理する必要があるため、インスリンでコントロールします。

 

<妊娠中の高血糖>

● 妊娠中の高血糖は、母親にもお腹の赤ちゃんにも悪い影響を与えます。妊娠中に高血糖になる方には、元々糖尿病のある方だけでなく、妊娠してはじめて糖尿病がみつかる方、そして妊娠中に血糖値が上がり妊娠糖尿病と言われる方がおられます。

妊娠中は母子への安全性が認められている種類のインスリンで血糖値をコントロールします。

それぞれの患者さんの状態を考慮して治療薬が選ばれています。内服薬、インスリンなどの注射薬、それぞれの特性を活かした治療でよりよい血糖コントロールをめざしましょう。

 

 

東京女子医科大学附属成人医学センター
岩﨑 直子

 

 

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
東医療センター 病院長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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