糖尿病について徹底解説。血糖値・HbA1cから
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自動車を運転している最中に低血糖が起こると、重大な事故に繋がる危険性があります。インスリンや低血糖を生じ得る糖尿病治療薬を使っている方が運転をする時に留意することや、万が一、運転中に低血糖が起きた時の対処について解説します。

 

自動車運転中に低血糖に陥り、適切な処置が遅れると、運転能力が低下し交通事故に繋がる可能性が高いことがわかっています。

2013年6月に道路交通法が改正され、自動車の運転に支障をおよぼす病気の症状について、免許の取得や更新時に申告することになりました。もし虚偽の回答をした場合には、1年以下の懲役または30万円以下の罰金刑を受けることになりました。

万が一、低血糖を自覚しながら対処せずに事故を起こした場合、刑事および民事責任を問われる場合があります。

 

運転中の低血糖を予防する、ないし「なるかな」と予測することが大事になります。運転前に血糖値を確認しましょう。血糖値が低い時はもちろん、血糖値が正常範囲内であっても、これから下がっていくことが予測される場合には、糖分を補給しましょう。車の中の手が届くところに、糖分を含むものを用意しておきましょう。

低血糖の症状を感じたら、すぐに安全な場所に停車して、ブドウ糖や砂糖などの糖分を摂ります。糖分を補給しながら運転を継続していて、低血糖に陥り、事故に至ったケースもあるので注意が必要です。

入浴後や運動後など、血糖値が下がりやすい時間帯の運転は控えるべきです。

 

無自覚性低血糖は、低血糖の交感神経症状(発汗、動悸、手の震え)や低血糖の前兆がないまま突然意識がなくなり、けいれんや昏睡などの中枢神経症状が現れるタイプの低血糖です。

無自覚性低血糖は、糖尿病性自律神経障害があったり、繰り返し低血糖になることが原因で起こります。

突然意識がなくなる無自覚性低血糖は、ブドウ糖を摂るなどの低血糖に対する対処ができないため、運転中に起こると重大な事故に繋がる可能性があります。無自覚性低血糖を経験したことのある方は、必ず医師に運転を控えるべきかどうか相談して下さい。

 

インスリンや、低血糖を生じ得る糖尿病治療薬を使用している方、以前に低血糖を経験したことのある方は、運転中の低血糖に対する予防と対策が重要です。

低血糖予防対策例
運転前にまず血糖ををチェックし、長時間運転する場合は時々パーキングに入るなどして血糖自己測定を行いましょう。

血糖自己測定器、ブドウ糖などを、運転中でも手の届くところに常備しましょう。

低血糖症状に気付いたら、すぐに運転をやめて安全な所に停車しましょう。

低血糖になった場合、ブドウ糖10gやブドウ糖を多く含む飲料150~200mL等を摂取しましょう。砂糖であれば20g摂取しましょう。甘い食品でも、糖分を含まない場合があるので、予め成分を確認しておきましょう。

補食後15分経ったら、血糖値を測定し、正常値に回復していることを確認して、運転を再開します。

無自覚性低血糖を経験したことがある方は、運転について主治医に相談して下さい。

 

糖尿病網膜症による視力低下がある方は、運転について主治医に相談しましょう。

末梢神経障害がある方は、アクセルやブレーキのペダルの感じ方が弱まっている場合があります。運転について主治医に相談しましょう。

参考:米国糖尿病学会:交通事故を起こさないための低血糖対策7か条

 

 

東京女子医科大学糖尿病センター
小林 浩子

 

 

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
東医療センター 病院長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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