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太もも付け根に移植して糖尿病マウスが完治

福岡大学と理化学研究所チーム

1型糖尿病の根治的治療として脚光を浴びている移植治療のひとつに膵ランゲルハンス氏島(膵島*)の移植があります。膵島移植は2000年に幕が開け、最近の成績では、膵島移植後に約半数の患者さんで、インスリン注射が5年間不要になると言われています。


従来行われてきた肝臓に移植する方法は、膵島の機能が低下した場合の追加移植や、拒絶反応の予知が極めて難しいこと、拒絶反応後の膵島を肝臓から除去できないといった課題が残っていました。これらを解決するために、鼠蹊部(そけいぶ)(太ももの付け根)の皮下脂肪組織への移植が試みられました。糖尿病マウスの鼠蹊部に、正常マウスから取ってきた膵島を移植したところ、肝臓への移植時に比べて1/5の量で、血糖が120日間正常に維持できました。iPS細胞から作成した膵島を用いた移植治療も考えられています。この場合の問題点として、発がん性が危惧されていますが、鼠蹊部の皮下組織への移植であれば、CT検査で画像として観察可能で、また切除も可能です。膵島の鼠蹊部の皮下組織への移植は、このようなメリットが確認できたことから、今後、糖尿病の再生医療への貢献が期待できます。

*インスリンを合成・分泌するβ細胞をはじめとした数種類の内分泌細胞が、かたまりを作ったもので、膵臓内に点在している。


 

 

 

東京女子医科大学附属成人医学センター
岩﨑 直子

 

 

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
東医療センター 病院長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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