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糖を運ぶたんぱく質に結合している糖鎖の役割を大阪大などの研究チームが明らかにしました。

血液中のブドウ糖を細胞内に取り込んで、血糖値を下げる役割をしているたんぱく質のひとつにGLUT4(グルコーストランスポーター4)があります。GLUT4は、インスリン刺激があると細胞の表面(細胞膜)に移動して、血液中の糖を細胞内に取り込む働きをしていますが、インスリン刺激がなくなると細胞内に戻ります。2型糖尿病の原因のひとつは、このGLUT4がうまく働かず、細胞内への糖の取り込みが不充分なために、発症するのではないかと考えられています。GLUT4には複数の糖がつながった〝糖鎖〞が結合していますが、GLUT4の細胞内での動きと、機能に対する〝糖鎖〞の役割は解明されていませんでした。

このたび、大阪大などの研究チームは、蛍光物質を利用して、たんぱく質の細胞内での動きを可視化する技術の開発に成功しました。その技術により細胞内のたんぱく質の動きを、より詳細に観察できるようになりました。その技術を用いて、GLUT4の細胞内での動きを調べたところ、GLUT4に結合している〝糖鎖〞に異常があると、GLUT4は細胞膜に移動しますが、糖を取り込む役目を果たさず細胞内に戻ることが観察されました。GLUT4の働きにおける〝糖鎖〞の役割が世界で初めて解明され、なぜ糖の取り込みがうまくいかないのかがわかりました。

今回の研究結果は、2型糖尿病の発症原因の解明だけでなく、新薬の開発にもつながると考えられています。また、この新技術を用いてGLUT4以外のたんぱく質の働きを研究することで、他の病気の原因解明や創薬にも応用が期待されます。

参考:http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2016/20160823_1


 

 

東京女子医科大学 糖尿病センター
三浦順之助

 

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
東医療センター 病院長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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