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合併症シリーズ:糖尿病腎症とは?

病期による自覚症状と治療

                                                        監修:旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野 教授 羽田勝計 先生
 

 糖尿病腎症の病期は5期に分かれていて、タンパク尿と腎機能が病気の指標になります。基本的な治療法は血糖コントロールと血圧の管理で、どの病期でも大事です。症状が進むとタンパク質と塩分を制限した食事療法が行われますが、糖尿病の食事療法に腎症の食事療法が加わると、食事療法がいっそう難しくなります。

 

第1期(腎症前期)

糖尿病以外の自覚症状はなく、検査しても腎症であることを診断できない状態です。
 


第2期(早期腎症)

 尿中にアルブミンというタンパク質がわずかに検出されます(微量アルブミン尿と呼んでいます)
 

 ほとんどありませんが、血圧が高くなることが多いです。
 

    尿検査、血液検査
 

    厳格な血糖コントロールと血圧の管理が必要です。
 


第3期(顕性腎症)

 尿中にタンパク質が出てきて、腎機能が低下していきます。
 

    タンパク尿が増加するとむくみが出てきます。
 

    尿検査、血液検査
 

    厳格な血糖コントロールと血圧の管理に加えて、食塩、タンパク質を制限した食事療法に切り替えます。
 


第4期(腎不全期)

 腎臓の糸球体で血液がろ過されず、老廃物が血液中にたまり尿毒症の症状が出てきます。また、低血糖を起こしやすくなります。
 

 むくみに加え、体がだるい、皮膚がかゆい、夜間手足が痛い、貧血など尿毒症の症状が出てきます。
 

    尿検査、血液検査
 

 厳格な血糖コントロールと血圧の管理。腎症治療により重点をおいた食事療法に切り替えます。
 


第5期(透析療法期)

 腎臓の機能がほぼなくなり、慢性透析療法が導入される時期をいいます。予後は良くなく、5年後の生存率は約50%といわれています。
 

    人工透析は通常週3回行います。人工透析でも症状が改善しない場合、腎移植や膵腎移植という選択肢もあります
 

【 表1 糖尿病性腎症の病期分類 】

GFR(糸球体濾過率):腎臓の機能を把握するための指標。クレアチニンクリアランスを測ることで代用されることが多い。
 

糖尿病腎症~治療の3本柱~

糖尿病腎症では高血圧をともなう患者が多くみられます。腎症にとって高血圧は症状を悪化させるものであり、逆に血圧を下げると腎症は進行が遅くなります。したがって、治療の柱は、「血糖コントロール」に加えて、「血圧コントロール」が重要になってきます。血圧を下げるお薬(降圧薬)の中では、レニン‐アンジオテンシン系抑制薬が広く使われています。さらに、「糖尿病腎症の食事療法」が入り、その3つが治療の基本です。
 腎臓にとって、塩分やタンパク質のとりすぎ、過食、肥満などは大きな負担になります。糖尿病腎症の自覚症状がなくても、ふだんから塩分、高タンパクを控えた食事できちんと血糖コントロールを行い、定期的に運動をすることが大事です。
 糖尿病腎症になった場合、第3期より激しい運動が制限されます。また食事は、状態に応じて第3期からタンパク質摂取の制限が加わります。高血圧を合併した場合は、病期にかかわらず塩分摂取が制限されます。腎症の進行を遅らせるために血糖コントロールはもちろん、血圧コントロール、食事療法は重要なのです。きちんと治療すると腎症が良くなる(寛解する)方もおられます。主治医や栄養士にしっかり聞いて、頑張って続けていきましょう。
 

【 表2 糖尿病性腎症の生活 】
【 表3 糖尿病性腎症の食事 】

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